研究課題/領域番号 |
22K10935
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研究機関 | 東京工科大学 |
研究代表者 |
白石 裕子 東京工科大学, 医療保健学部, 教授 (90734856)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 子ども虐待対応 / 看護師向け教育プログラム / 育児支援 / 子ども虐待予防 |
研究実績の概要 |
本研究は①小児医療に携わる看護師の子ども虐待対応とCPT内の役割についての実態調査の実施と分析、②国内外の子ども虐待対応に関する文献検討、③看護師向け子ども虐待予防教育プログラムの構築と実施、④看護師向け子ども虐待予防教育プログラム(以下、「教育プログラム」とする)の評価と再構築の4本のコンテンツで構成されている。 令和5年度までに、①については小児救急看護認定看護師を対象とした質問紙調査とフォーカスグループインタビューの2本の研究を企画している。質問紙調査に関しては、現在、本学倫理委員会に倫理申請をしているところである。小児救急看護認定看護師はその教育課程において長時間にわたる子ども虐待についての系統講義を受けている。この調査では「教育プログラム」作成にあたり、その系統講義の内容の必要部分をより明確にすることを目的としている。フォーカスグループインタビューに関しては、質問紙調査で明らかになった内容について、より踏み込んで検討していく材料とする。フォーカスグループインタビューについて、倫理申請の準備を進めている段階である。いずれも倫理審査の承認が得られたら速やかに調査を実施していく。②については現在、文献を検討しているところである。 ③について、「教育プログラム」について研究協力者たちと検討し、2日間の研修プログラムの骨子を構築した。①および②の内容を吟味して「教育プログラム」の詳細な内容を検討し完成させる予定である。構築した「教育プログラム」を用いた研修会の令和6年度末の実施を目指している。④については令和7年度以降で構築・実施した「教育プログラム」の評価・再構築を行う。 現在までに研究実績として形にできていないが、令和6年度は調査研究の実施および「教育プログラム」を用いた研修会を実施し、研究実績を積み重ねていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和5年度は、COVID-19は5類感染症になったものの、臨床現場ではコロナ対応のための混乱が続いており、研究協力者たちとの調整が十分に行えなかった。また、研究代表者の本務も多忙であり、予定通りの研究遂行が難しい状況が続いていた。 小児医療に携わる看護師の子ども虐待対応とCPT内の役割についての実態調査の実施と分析に関して、小児救急看護認定看護師を対象としたWeb上質問紙調査の実施を企画した。これに関しては本学倫理委員会に倫理審査の申請をしているが、審査が滞っており、承認が得られていない。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、①小児医療に携わる看護師の子ども虐待対応とCPT内の役割についての実態調査の実施と分析について、現在申請している倫理審査の承認が得られたら速やかに調査を実施し、分析していく。加えて看護師に必要な虐待事例対応能力やそのための研修プログラムを検討していく材料として、臨床現場で子ども虐待対応に携わっている小児救急看護認定看護師を対象としたフォーカスグループインタビューを実施し、「教育プログラム」に必要な内容について、さらに踏み込んで分析していく。フォーカスグループインタビューに関しては、倫理申請を行う予定である。 国内外の子ども虐待対応に関する文献検討に関しては、令和6年度前半で検討した文献のリストをまとめ、内容について分析していく予定である。 「教育プログラム」の構築・実施について、前述した質問紙調査・フォーカスグループインタビューの結果と、文献検討の結果を吟味し、現在までに構築した2日間の「教育プログラム」の詳細を検討する。日本子ども虐待医学会および日本子ども虐待防止学会などの関連学会で、構築中の「教育プログラム」についての意見を求める機会を得るように計画している。 令和6年度末には完成させた「教育プログラム」を用いた研修会を実施する予定である。構築・実施した「教育プログラム」の評価方法についての検討も同時に行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和5年度は研究の進行が遅れたため、調査研究等にかかる支出およびプログラム構築のための人件費等の支出が少なくなった。そのため次年度使用額が生じる結果となった。 令和6年度は、小児救急看護認定看護師を対象とした調査研究の実施、有識者へのインタビュー、子ども虐待対応に関する看護師向け予防プログラムの実施等について支出が生じる予定である。また、研究責任者および研究協力者の関連学会学術集会参加のための費用も生じる予定である。
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