研究課題/領域番号 |
22K10942
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研究機関 | 京都先端科学大学 |
研究代表者 |
温井 祥子 (美甘祥子) 京都先端科学大学, 健康医療学部, 准教授 (10613804)
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研究分担者 |
中塚 幹也 岡山大学, 保健学域, 教授 (40273990)
片岡 久美恵 岡山大学, 保健学域, 准教授 (20613780)
井田 歩美 摂南大学, 看護学部, 教授 (70549203)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | PGT-A / 不育症 / 意思決定 / 支援 |
研究実績の概要 |
PGT-A (Preimplantation Genomic Test for Aneuploidy,着床前胚染色体異数性検査)は,遺伝学的に明らかな変異を有さない不妊カップルが体外受精(IVF-ET)を行う際に,胚の異数性を検査して妊娠率を改善し流産率を低下させることを目的とした検査である。不育症女性に,子どもを失うことの恐怖感や流産を回避しようとPGT-Aを強く望む者がいる。しかし,PGT-Aでは,細胞採取による胚へのダメージや,誤診断の可能性,モザイク胚の取り扱いがまだ不明瞭であること,身体的・精神的・経済的な負担が大きいといった問題点もあり,検査を受けることを悩む不育症女性も多い。 本研究の目的は,PGT-Aの受検を考慮する不育症女性の意思決定を,遺伝医療専門職と協力し,不育症を治療する医療機関の看護職が継続的に支援するシステムを開発し評価することである。看護職は,不育症女性がPGT-Aを受検する際に,遺伝医療専門職と協力し正確な情報を提供し,流産や死産を繰り返す苦しみなどの相談に対応することができる。不育症女性の負担を軽減のため,PGT-Aを受検する際の意思決定を看護職が支援するシステムを検討する。本研究では,不育症女性でPGT-Aを受けた女性の体験を明らかにし,不育症と遺伝の専門家と共にPGT-Aの受検を考慮する不育症女性のためのリーフレットを作成し,内容妥当性・実施可能性の評価を行う。 また,研究を進める中で,PGT-Aを受けた女性の体験以外だけでなく,パートナーの知識や態度を明らかにすることの必要性を感じ,不育症女性のパートナーを対象とした研究を追加することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年度は,新型コロナウイルス感染症の影響により,研究活動に直接影響を受けた。さらに,新型コロナウイルス感染症の影響は,教育活動への影響が出たため,研究活動の時間確保が困難となり,本研究の進捗が遅れた。 また,2023年度は,研究計画を見直し,実態調査の前段階としての文献研究を追加したため,当初の研究計画よりかなり遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は,不育症女性のパートナーのPGT-Aの知識や態度について調査を行う。さらに,PGT-Aを受けた経験のある女性の体験について調査を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗状況が遅れており,文献検討のみしか実施できていない。そのため,予定していた研究対象者への調査に用いる調査費用,分析にかかる費用が使用されなかった。 2024年度は研究を進め,研究対象への調査費用,分析にかかる費用として使用する。
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