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2023 年度 実施状況報告書

養護教諭の臨床判断能力を強化するためのアクティブラーニング型教育プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K10954
研究機関熊本大学

研究代表者

佐藤 伸子  熊本大学, 大学院教育学研究科, 講師 (10226946)

研究分担者 山田 玲子  北海道教育大学, 教育学部, 教授 (10322869)
福田 博美  愛知教育大学, 教育学部, 教授 (90299644)
葛西 敦子  弘前大学, 教育学部, 教授 (80185735) [辞退]
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード養護教諭 / 教育 / 臨床判断 / アクティブラーニング
研究実績の概要

本研究の目的は養護教諭が子ども異変に気付き必要な対応につなぐことのできる臨床判断能力を強化するためのアクティブラーニング教育プログラムを開発することである。本研究により、養護教諭が能動的に臨床判断能力を身に付ける教育プログラムを提供することで、子どもの健康と学校生活を支える養護教諭の養護実践力の向上を目指している。
本年度は、学生を対象にバイタルサインならびに聴診の技術を定着させるタスクトレーニングと患者シミュレータを活用した来室者への対応演習を組み合わせた教育プログラムを試行した。
また、養護教諭を対象とした、臨床判断に関わる観察項目の実践状況や判力に関わる因子に関する調査ならびにフィジカルアセスメント教育効果に関する調査を実施した。
事例を用いたフィジカルアセスメント教育の効果としては、①必要な観察項目を列挙、②必要な問診、③フィジカルイグザミネーション、④身体状況の判断、⑤必要な応急処置など8項目についての自信の程度を、教育前後で調査し比較したところ、教育後、7項目について自信を持つ学生の割合が増加し、事例活用の有用性が示唆された。一方、フィジカルイグザミネーションに関する自信については有意差がみられなかったことから、タスクトレーニングのプログラムを組み合わせることの重要性が伺えた。
卒業前のバイタルサインにおける観察技術、正常・異常の判断、養護実践に関する自信の程度を見た調査では、総合得点の高い順に、SpO2、体温、脈拍、血圧、呼吸、意識状態という結果であった。血圧、呼吸、意識状態の観察技術、正常・異常の判断、養護実践につながる教育方法を工夫する必要があることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

前年度に追加して実施予定であったインタビューが協力者の都合がつかず、実施できなかった。また、教育プログラムに関わるルーブリックが完成していないため、「やや遅れている」と判断した。

今後の研究の推進方策

令和6年度は、前年度に、養護教諭を対象に実施した調査結果の分析を進め発表する。またこれまでの成果を踏まえ、教育プログラムの充実を図るとともに、ルーブリックを作成・利用した上でプログラムを展開し、評価していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

令和5年10月~令和6年9月まで契約しているシミュレータのレンタル費用において次年度9月末の支払い分が次年度予算を超過していることから、本年度予算の執行を見合わせたため。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] 養護教諭養成課程学生へのフィジカルアセスメントの観察技術と判断に関する教育方法の検討2024

    • 著者名/発表者名
      山田 玲子、葛西 敦子、佐藤 伸子、福田 博美、岡田 忠雄
    • 雑誌名

      北海道教育大学紀要. 教育臨床研究編

      巻: 74 ページ: 197~204

    • DOI

      10.32150/0002000108

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 養護教諭養成での食物アレルギーの模擬事例を用いたシミュレーション教育‐模擬患者とシミュレータでの実習前後での学生自己評価得点の比較-2024

    • 著者名/発表者名
      葛西敦子 , 山田玲子 , 福田博美 , 佐藤伸子
    • 雑誌名

      弘前大学教育学部紀要

      巻: 131 ページ: 155-166

  • [雑誌論文] 養護教諭養成課程卒業前学生のバイタルサインにおける観察技術、正常・異常の判断、養護実践に関する自信の程度2024

    • 著者名/発表者名
      葛西敦子, 山田玲子, 福田博美, 佐藤伸子
    • 雑誌名

      弘前大学教育学部紀要

      巻: 131 ページ: 147-154

  • [雑誌論文] 養護教諭を対象とした高機能シミュレータを活用したICT教育 ー危機管理マニュアルを用いた熱中症対応の検討ー2024

    • 著者名/発表者名
      福田博美, 藤井紀子, 小川真由子, 古村奈保子, 佐藤伸子, 山田玲子, 葛西敦子
    • 雑誌名

      弘前大学教育学部紀要

      巻: 131 ページ: 167-175

  • [雑誌論文] 学校における非接触体温計の正しい使用方法の普及 ‐動画説明資料の検討‐2024

    • 著者名/発表者名
      山中結加, 森愛子, 河合咲良, 早川実希, 福田博美, 小川真由子, 山田玲子, 葛西敦子, 佐藤伸子
    • 雑誌名

      愛知教育大学研究報告

      巻: 73 ページ: 29-35

  • [学会発表] 養護教諭養成課程学生への食物アレルギーの模擬事例を用いたフィジカルアセスメント教育の検討2023

    • 著者名/発表者名
      葛西敦子, 山田玲子, 福田博美, 佐藤伸子
    • 学会等名
      日本学校保健学会第 69 回学術大会
  • [学会発表] 養護教諭養成課程卒業前学生のバイタルサインに対する観察技術,正常・異常の判断,養護実践に関す る自信の程度2023

    • 著者名/発表者名
      葛西敦子, 山田玲子, 福田博美, 佐藤伸子
    • 学会等名
      日本学校保健学会第 69 回学術大会
  • [学会発表] 養護教諭養成課程学生への事例を用いたフィジカルアセスメント教育の効果と課題2023

    • 著者名/発表者名
      山田玲子, 葛西敦子, 佐藤伸子, 福田博美, 岡田忠雄
    • 学会等名
      日本学校保健学会第 69 回学術大会
  • [学会発表] 非接触体温計の正しい使用方法の普及2023

    • 著者名/発表者名
      山中結加, 森愛未, 早川実希, 河合咲良, 福田博美, 小川真由子, 山田玲子, 葛西敦子, 佐藤伸子
    • 学会等名
      第66回東海学校保健学会学術大会
  • [学会発表] フィジカルアセスメントの技能を高める2023

    • 著者名/発表者名
      葛西敦子, 山田玲子, 佐藤伸子
    • 学会等名
      第66回東海学校保健学会学術大
  • [学会発表] 学校の保健室における非接触体温計の活用について2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤 伸子, 清松 紗衣, 田中 友花, 福田 博美, 山田 玲子, 葛西 敦子
    • 学会等名
      小児保健研究(0037-4113)82巻講演集
  • [学会発表] 養護教諭養成課程卒業前学生のバイタルサイン観察技術の自信と影響を受けた実習に関する研究 「養護教諭を志望する」学生と「養護教諭を志望しない」学生との比較2023

    • 著者名/発表者名
      葛西 敦子, 山田 玲子, 福田 博美, 佐藤 伸子
    • 学会等名
      小児保健研究(0037-4113)82巻講演集

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公開日: 2024-12-25  

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