研究課題/領域番号 |
22K10958
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
丸山 始美 静岡県立大学, 看護学部, 助教 (70910371)
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研究分担者 |
山下 早苗 静岡県立大学, 看護学部, 教授 (40382444)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 道徳的レジリエンス / 看護師 / 子ども / ターミナル期 / 倫理的苦悩 |
研究実績の概要 |
本研究は、ターミナル期にある小児がんの子どもを対象とする看護師を対象として、倫理的苦悩に対する道徳的レジリエンスを明らかにすることである。その基礎研究として、ターミナル期にある小児がんの子どもを対象とする看護師の倫理的苦悩の意味づけについて質的研究を行った。令和5年度は、ナラティヴ研究法の構造分析とテーマ分析を行い、ストーリーラインを見出した。構造分析では語りの構造と特徴を明らかし、テーマ分析では、倫理的苦悩の意味づけを見出し、ストーリーラインを生成した。その結果、看護師は、倫理的苦悩の体験を他者と共有し、一人では見出せなかった視点を多角的に検討することで、持ち得なかった新たな視点を見出し、子どもを尊重した支援につなげることができると意味づけていた。一方で、経験を積んでも、悩みながらケアをしていくしかないという意味付けをしており、感情疲労に苛まれる危険性があり、レジリエンスを発揮していく重要性が示唆された。令和6年度には成果について学会発表と論文投稿する予定である。 さらに、国内外の文献にて、子どもを対象とする看護師のレジリエンスの概念分析を行った。医学中央雑誌やpubmedを用いて文献検索を行い、目的に該当しない文献を除外した結果、対象となった国内文献は2件であった。海外文献は、タイトルや抄録による選定後38件、本文を精読した結果、対象文献は27件となった。選定した対象文献国は10ケ国であった。概念分析の方法は、Rodgers(2000)の提唱する手法を用いた。「Concept Development in Nursing: Foundations, Techniques, and Applications」(pp77-102)とその翻訳版(2023)、レジリエンスの3つの構成要因「I Have」「I Am」「I Can」を用いて概念分析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和5年度は、基礎研究であるターミナル期にある小児がんの子どもを対象とする看護師の倫理的苦悩の意味づけについての質的研究と子どもを対象とする看護師のレジリエンスの概念分析の2つの研究を完了する予定であったが、基礎研究である看護師の倫理的苦悩の意味づけの分析に時間を要した。この基礎研究が本研究につながるため、十分に吟味する必要があった。また、子どもを対象とするレジリエンスの概念分析は、国内は2文献と少なく、海外文献では看護師のレジリエンスの内容が生活の質に関する内容が多く、看護師の倫理的苦悩へのレジリエンスとなる得るかどうかの十分な検討には至っていない。小児看護師のレジリエンスの概念分析ではなく、近年における小児看護師のレジリエンスの概念を明確化し、概念の要因や特徴を特定することができるスコーピングレビューを検討する。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、1)基礎研究である「ターミナル期にある小児がんの子どもを対象とする看護師の倫理的苦悩の意味づけ」の学会発表と論文投稿をする。2)「子どもを対象とする看護師のレジリエンス」のスコーピングレビューを行い、学会発表と論文投稿準備を進める。3)これらを基に本研究である「ターミナル期にある小児がんの子どもを対象とする看護師の道徳的レジリエンス」の研究計画書を作成する。 令和7年度に、1)倫理審査の承認後、インタビュー調査を行い、データ取集と分析をする。2)研究成果を検討し、論文投稿や学会発表で公表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
インタビューによるデータ収集のためのテープ起こし代金、データ収集のための調査費、論文作成のための英文校閲費用、学会発表のための費用等が必要である。
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