研究課題/領域番号 |
22K10972
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研究機関 | 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所) |
研究代表者 |
藤田 真弓 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), 臨床研究所, 医師 (30835385)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 食物アレルギー / 経口免疫療法 / シェアードディシジョンモデル |
研究実績の概要 |
ピーナツの経口免疫療法(oral immunotherapy:OIT)の有用性が報告されているが、維持期に継続的な摂取が必要であり、ピーナツに対する嗜好などからアドヒアランスが低下し、摂取を中断する例もある。このため、免疫学的な変化を維持できる摂取量と摂取間隔を検討する目的で本検討を実施した。 対象となった患者は41人であり、そのうち経過を追えた31人のデータを解析した。2022年3月時点でのrush OIT後の維持期のピーナツの1回摂取量は4g(中央値)、1か月の摂取回数は4回(中央値)、1か月の摂取量は24g(中央値)であった。OIT開始前と維持期でのピーナツ特異的IgE値は、1回にピーナツ3g以上を摂取していた児で有意に低下しており、3g未満では有意差は認められなかった。月の摂取回数や月の摂取量では量によらず、ピーナツIgE値は有意に低下していた。Ara h 2特異的IgE値は有意差は認められなかったが、全例で低下していた。維持期でのピーナッツ特異的IgG4値とAra h 1・Ara h 2・Ara h 3・Ara h 6特異的IgG4値については、いずれも1回摂取量や月の摂取回数、月の摂取量での有意差は認められなかった。ピーナッツおよびAra h 2・Ara h 6特異的IgG4値はAra h 1・Ara h 3特異的IgG4値に比べて維持期で上昇していた。 本検討では月の摂取量や摂取回数によりも1回の摂取量がピーナツIgE値の変化に影響を及ぼしている可能性が示唆された。今後はさらに細かく摂取量を分けて検討していく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
患者の年齢が上がってきており、受診が難しく症例の経過を追うことが難しかった。
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今後の研究の推進方策 |
対象患者に対し、アンケートを送付し、現在のピーナッツ摂取量と摂取状況についての確認を行い、QOLについて確認する。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響があり、海外学会への参加が困難であったことや、患者の受診控えがあり検査などが行えなかったため。 今後、アンケート送付に必要な物品購入やデータ処理のための人件費に研究費を使用する。
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