研究課題/領域番号 |
22K10985
|
研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
明野 聖子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 講師 (20433451)
|
研究分担者 |
三國 久美 北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (50265097)
遠藤 紀美恵 北海道医療大学, 看護福祉学部, 講師 (70382504)
西牧 可織 北海道医療大学, 心理科学部, 講師 (70758549)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | 第一子 / 父親 / 父親の役割 / 介入プログラム / 育児支援 |
研究実績の概要 |
本研究の第一段階として,産前産後教育プログラムの作成に向けて,国内の関連文献を12件入手し,初めて父親になる男性のニーズに関する知見を整理した.その結果,父親は,「子どもの誕生を楽しみに待つ」,「自分のライフスタイルを変えようとする」,「父親像を形成する」という父親自身の取り組み,「夫婦関係を維持できるように努める」,「夫婦で家事育児の方針について話し合う」,「夫婦の愛情を育もうとする」という夫婦間の取り組み,「子どもとの繋がりを強くする」という親子間の取り組み,「子育て環境を整える」,「妻を中心とした家庭環境をつくる」,「家族員としての役割を果たそうとする」など家族全体への取り組みを行っていることが明らかになった.また,初めての児の誕生に伴う父親役割行動には4つの調整過程があり,「育児における父親役割行動の調整過程」に連動して,「家事における父親役割行動の調整過程」,「妻の精神的支援における父親役割行動の調整過程」,「生活習慣の修正における父親役割行動の調整過程」が行われることが明らかになった.これらの知見から,父親になることにより,役割移行が生じ,役割獲得,すなわち,感情・心情の変化をはじめ,新たな知識・技術を取り入れ,目標に向かって行動を変化させることが必要になると考えられた.妊娠期から育児期にわたり,初めて父親になる男性は,父親役割の実施に必要な知識や具体的な情報を習得し,母親の役割を想像しながら妻に対応し,自身の父親の役割を定めていくことが重要であると考えられた. 今後は,これらの先行研究の知見をふまえて,妊娠期と育児期初期の2部構成のプログラムを設計していく予定である.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では,初めて父親になる男性へのICTを用いた産前産後の教育プログラムを開発することが目的である.目的を達成するために,4段階により研究を進めており,その第1段階でとして,介入プログラムの構成要素につながる先行研究の知見を整理することができた.そのため,研究計画について,おおむね順調に進展していると判断できる.
|
今後の研究の推進方策 |
初めて親になる父親を対象として,産前の介入プログラムを設計し、介入研究を予定している。対象となる父親への研究協力を依頼するにあたり,フィールドからの協力が得られる見込みである.
|
次年度使用額が生じた理由 |
初年度は,先行研究の知見を整理することを優先し,予定していたPSI育児ストレスインデックス等は購入しなかった.次年度,PSI育児ストレスインデックス等の購入を予定している.
|