研究課題/領域番号 |
22K10992
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研究機関 | 中京学院大学 |
研究代表者 |
宮良 淳子 中京学院大学, 看護学部, 准教授 (90597949)
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研究分担者 |
市江 和子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (00279994)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 不登校 / フリースクール / 思春期 / 修正版グランデッドセオリーアプローチ |
研究実績の概要 |
第1研究として、中学・高校の時期に不登校だった経験者のフリースクールに通いはじめてから社会に歩みだすまでのプロセスを明らかにすることを目的とし、中学・高校で不登校経験があり、フリースクールに通ったのち、再登校や進学、就職などで社会に歩みだした経験者15名を対象とし、半構造的インタビューを実施した。インタビュー内容は、研究参加者の同意を得たうえでICレコーダーに録音した。インタビューの年齢は22歳~32歳(平均25.6歳)で、20歳代が14名、30歳代前半が1名であり、性別は男性7名、女性8名であった。インタビュー時の社会状況は、社会人が14名、専門学校の学生が1名であった。インタビュー結果は、M-GTA(Modified Grounded Theory Approach:修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ)を用いて分析を行っている段階である。 第2研究では、フリースクール職員が認識する中学・高校の時期に不登校だった生徒が社会に歩みだすプロセスを明らかにすることを目的とし、フリースクールで1年以上の指導経験を有した不登校生徒の指導経験のある職員16名を対象とし、半構造的インタビューを実施した。研究参加者の同意を得たうえでICレコーダーに録音した。インタビュー時の年齢は、60歳代が5名、50歳代が5名、40歳代が3名、20歳代が2名、70歳代が1名であった。性別は、男性7名、女性9名であった。フリースクールでの指導経験年数は、3年~30年 (平均13年10か月)であった。インタビュー結果は、M-GTA(Modified Grounded Theory Approach:修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ)を用いて分析を行っている段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していた人数のインタビューは実施できている。 M-GTA(Modified Grounded Theory Approach:修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ)を用いての分析において、分析焦点者と分析テーマに照らしながら関連箇所に着目し、それを一つの具体例(ヴァリエーション)とし、他の類似具体例も説明できると考えられる説明概念を生成した。次に複数の概念の関係からなるカテゴリーを作成し、カテゴリー相互の関係から分析結果をまとめ、結果図を作成し、簡潔に文章化(ストーリーライン)した段階である。今後は、データの信頼性・妥当性を確保するために、分析過程において、M-GTA研究会会員、小児看護学の専門者のスーパーバイズを受け、繰り返し検討を行なう必要があるため、進捗状況はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
データの信頼性・妥当性を確保するために、分析過程において、M-GTA研究会会員、小児看護学の専門者のスーパーバイズを受け、繰り返し検討を行ない、結果図を作成し、簡潔に文章化(ストーリーライン)していく。 不登校生徒が社会に歩みだすプロセスと、不登校生徒とフリースクールの職員や仲間との相互作用について、M-GTAで描いた結果図をもとに共通性や相違性、関連性を把握し、不登校生徒が発達段階の課題や心理的葛藤を克服し社会に歩みだすための支援について検討し、具体的なアプローチを抽出する。 不登校に関する文献検討をふまえ、報告書などを参考に、抽出されたアプローチを基盤とし、看護職による不登校生徒と保護者などを対象とした「不登校生徒の社会生活適応支援モデル」を作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
分析内容の妥当性の検討や研究者間での支援モデルの検討のため、研究会及び検討会への旅費が必要となる。また、今後の学会発表に備えて、発表予定の学会へ参加するための参加費と旅費が必要となる。また、支援モデルの検討のための書籍や文献の費用が必要である。
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