研究課題/領域番号 |
22K10993
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研究機関 | 修文大学 |
研究代表者 |
大村 政生 修文大学, 看護学部, 准教授 (80586842)
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研究分担者 |
瀧川 綾菜 修文大学, 看護学部, 助手 (20984149)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 重症心身障がい児 / 青年期 / 家族機能 |
研究実績の概要 |
文献レビューにおいて重症心身障がい児・者をもつ家族の体験において続柄ごとに様々な経験をする。母親は育児や療育の中心となり、出生時から子どもに障がいがあることに対して自責の念をもちやすく、さらには子どもが様々な医療的ケアを有することに戸惑い、わかってあげたいと思うようになる。しかし、徐々に触れ合うことで親性を獲得し、子どものためにできることを見つけていくようになる。そして、子どもの成長のたびに直面する家族の発達課題が達成できるように家族全体を仕向けて行く。 一方父親は自分自分もショックを受けながらも主養育者である母親を支える存在となりたいと願い、父親役割を認識しながら仕事や家庭内の調整をはかる。また、経済的な負担に対処するため、仕事との調整に模索するようになる。また、家事やきょうだい児の育児など母親の家事育児の補完的な役割を担うようになる。 きょうだい児は幼少期に何となく親の「視線」が重症児に向けられたと感じる時期があり、寂しさを感じる。しかし、祖父母や保育所・学校の教職員が自分自身に対してやさしく接してくれているという体験から乗り越えることができた。また自分自身の重症児のきょうだい児と関わることで家族の一員として、何かできることを考え、重症児の世話や医療的ケアを学びケアの担い手となる。そしてそれが家族として当然と思うようになっていく。 祖父母は出生時よりケアの担い手となることを認識し、家族を支える存在となる。しかし、重症児が成長するにつれ、加齢により重症児の移乗等できなくなり、一部の医療的ケアや療養上の世話が担えなくなることに申し訳なさを感じる場合もあった。 重症児の持つ家族は一貫して母親が主たる養育者となることが多いが、その中で家族の発達段階ごとで家族内で家族機能を調整し、家族が健康が保たれるように調整をしていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2年目には家族に対してフォーカスグループインタビューを実施する予定であったが、1件のパイロットスタディのみの実施にとどまり、本調査ができていない。また、それに伴い、倫理審査の申請ができていない。そのため、所属施設での倫理審査申請承認後に10家族のフォーカスグループインタビューを実施していく。
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今後の研究の推進方策 |
所属施設の倫理審査申請を実施し、承認後に10家族にフォーカスグループインタビューを実施する。インタビューを質的記述的に分析をし、先行研究である家族成員毎の家族機能の認識と照らし合わせて、家族ごとの家族機能の特徴と青年期の重症児をもつ家族の変化の特徴を分析する。特に家族機能が高い凝集性を示した家族において家族が変化するにあたり家族機能がどのように変化をしていったのかの特徴を示し、研究を発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度は研究調査のみの実施となったため、研究活動の進捗がなかった。今年度は研究調査とともに研究活動を実施するため、調査費、謝金、分析に伴う費用を捻出していく。
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