研究課題/領域番号 |
22K11002
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
木村 裕治 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (80882167)
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研究分担者 |
宮脇 郁子 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (80209957)
福田 敦子 神戸大学, 保健学研究科, 講師 (80294239)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 食物アレルギー / 外食 / 心理社会的リスク / 対処行動 / 成人移行期 |
研究実績の概要 |
本研究は、成人移行期の食物アレルギー患者の外食に焦点を当て、患者の外食に伴う心理社会的リスクおよびその対処行動を把握するための質問紙を作成し、その信頼性と妥当性を検証することを目的としている。 2023年度は、質問紙案の作成と表面妥当性の検討を計画していたが、まず食物アレルギー患者がリスクをどのように捉えているのかを明確にする必要があると考え 、リスクの内容の抽出に時間を要した。食物アレルギー患者の社会生活におけるリスクは非常に複雑で、内容が多岐にわたっていたため、複数回にわたる研究者間での議論を重ねた。 2024年度は2023年度に行ってきた内容を精製した結果を、学会や海外論文として発表をしていく。その上で、本研究の目的である質問紙(案)の作成を進める。1項目1設問とし、さらに質問紙の回答方法についても検討する。本調査に向けて質問項目を作成した段階で本学の倫理委員会への申請を行う。食物アレルギー患者が社会生活において感じているリスク内容が十分に抽出されているかについて、専門職者および患者、家族に確認し、表面妥当性の検証を行う。なお、質問紙項目案に加えて、背景要因および基準関連妥当性の検証を行うための既存の尺度をあわせてプレテストを実施する。その後、患者数名を対象にプレテストを実施し、質問紙案の項目の内容が理解しやすいか、答えやすいかおよび回答の所要時間などを確認および修正の上、本調査を行う予定である。本調査の有効回答者数は、項目数の約5倍以上と考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は食物アレルギー患者の社会生活におけるリスクをどのように捉えているのかについて明らかにすることに取り組むことができたが、食物アレルギー患者の社会生活におけるリスクは非常に複雑で、内容が多岐にわたったため、複数回にわたって研究者間での議論を重ねることで時間を要したためである。
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今後の研究の推進方策 |
食物アレルギー患者が社会生活でどのようなリスクを捉えているのかを明らかにし、その内容を関連学会において公表する。加えて、これまで抽出している質問紙 (案)の内容を精製する。作成された質問紙(案)が生成できた段階で本学の倫理委員会への申請を行い、承認を得た後、食物アレルギー患者が社会生活において感じているリスク内容が十分に抽出されているかについて、専門職者および患者、家族に確認し、表面妥当性の検証を行う。なお、質問紙項目案に加えて、背景要因および基準関連妥当性の検証を行うための既存の尺度をあわせてプレテストを実施する。質問師の答えやすさ、答えにくさ、回答の所要時間などを検討、修正の上、食物アレルギー患者の外食におけるリスクおよび対処行動を尋ねるための質問紙作成に向けた本調査を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度は食物アレルギー患者が社会生活でどのようなリスクを捉えているのかを明らかにすることに時間を要し、計画に遅れが生じた。そのため質問紙作成と調査実施にかかる費用やデータ分析に必要なSPSSや、ハードディスクといったパソコン関連備品、分析にあたっての知識の提供にかかる費用を2024年度に持ち越した。そのため2024年度には学会発表や論文投稿にかかる費用、質問紙作成と調査実施にかかる費用やデータ分析に必要な統計解析ソフトやパソコン関連備品、分析にあたっての知識の提供にかかる費用に使用する予定である。
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