研究課題/領域番号 |
22K11013
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研究機関 | 島根県立大学 |
研究代表者 |
阿川 啓子 島根県立大学, 看護栄養学部, 准教授 (20709381)
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研究分担者 |
安田 謙二 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (00335556)
金子 紀子 石川県立看護大学, 看護学部, 准教授 (30438171)
佐藤 基 島根県立大学, 看護栄養学部, 助教 (30881495)
小田 香澄 島根県立大学, 看護栄養学部, 助教 (40835245)
黒崎 あかね 島根大学, 医学部, 技術職員 (30969126)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 先天性心疾患 / 乳児 / 幼児 / 室内遊び |
研究実績の概要 |
先天性心疾患(Congenital Heart Disease:CHD)児の多くは,乳幼児期に外科的治療を行う。その為,入退院を繰り返しながら治療優先の日常生活を送っている。本研究の目的は,幼児期のCHD児と家族が家で取り組むことができる発達を促進する“運動と遊びのプログラム”を開発することである。3年計画で行う本研究の1年目である2022年度は,家における遊びの現状調査を行った。 質問紙調査では,「お医者さんごっこ,おままごとなどのごっこ遊びや,絵本,ボール遊び,音の出るおもちゃ(太鼓,ピアノ,リコーダー,遊び唄など),ブロック,リズム遊び」などを実施していることが明らかになった。一方で,CHD児の母親の育児の様相の質的研究を実施した。その結果,母親は妊娠・出産・育児において普遍的なプロセスを経験していることが明らかになった。そのプロセスを辿りながら母親は,社会との交流の中で自律した育児をするように変化していた。 文献レビューでは,重症CHD児の母体のストレスと胎児の脳の発達への影響としては,ストレス,不安,およびうつ症状のある母体のCHD胎児の小脳および海馬の発達障害がある。また,乳幼児期および学童期のCHD児は,脳の処理速度,数学的達成,注意および視覚空間認知機能,言語,記憶の認知領域,知能指数,微細な運動機能において健常児と比較して低下している。さらに,CHD児の社会的相互作用は,社会的認知,社会的コミュニケーションなどで低下していたが,社会的認識は問題ではなかった。 幼児期は,“想像するちから”などのコミュニケーション力を獲得する時期であることを考慮して,次年度は,母親の経験している育児の様相に応じたCHD児の遊びの検討を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
遊びに関する内容の検討を現在行っている段階である。今後その結果をもとにプログラムを考案する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
プログラムを作成し、試作を活用してみる。 遊びには,①人とかかわる遊び,②自然とかかわる遊び,③物とかかわる遊びについて,発達年齢や家にあるものを使って経済的な負担の少ない遊びを提案する。 先天性心疾患児の移行支援のワークショップ参加者などにも協力を得て,当事者目線のプログラム開発を目指し,実施・評価をする。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度の計画には,プログラム開発における動画作成があった。 しかし,プログラム作成まで達成できなかったことから,動画作成経費が未使用のため次年度使用額が生じた。
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