研究課題/領域番号 |
22K11015
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
磯 律子 獨協医科大学, 看護学部, 助教 (50891206)
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研究分担者 |
礒山 あけみ 獨協医科大学, 看護学部, 教授 (00586183)
水畑 喜代子 獨協医科大学, 看護学部, 准教授 (40346242)
疋田 直子 九州大学, 医学研究院, 教授 (60801925)
荒井 洋子 獨協医科大学, 看護学部, 講師 (60406238)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 産痛緩和法 / 産痛緩和効果の認識 / 産痛緩和のエビデンス |
研究実績の概要 |
近年、硬膜外麻酔を使用した出産が増加している。麻酔の使用は、産痛緩和効果はあるが、母子ともにリスクを伴う。日本の出産文化において産痛は、女性の通過儀礼である。よってこれまで助産師は妊婦に寄り添い、産痛緩和法を選択し提供してきた経緯がある。また「妊娠出産ガイドライン2013」で産痛緩和法のエビデンス推奨レベルが示されて以降は更新されていない。 そこで本研究は①助産師が実践している産痛緩和法と効果の認識を調査、②更新されていない産痛緩和法のエビデンス(厚生労働科学研究 妊娠出産ガイドライン研究班,2013)について、最新の文献を加えて推奨レベルを再検証し、全国の助産師に周知し、多様化した妊婦の価値観に対応することが目的である。 今年度は、研究1:助産師が行っている産痛緩和法の認識をオンラインで3~4名の助産師にフォーカスグループインタビューを行い、合計14名の開業助産師にインタビューを実施した。今後、データ分析し結果をまとめ、次の段階の産痛緩和の認識に関する量的研究に継続して進捗していく予定である。研究2: 更新されていない産痛緩和法のエビデンスを、最新の文献を加えて推奨レベルを再検証することが目的である。そのため、文献リストを作成し、今後除外要件をもとに文献を絞っていく予定である。また、文献レビューを行った結果と、研究1の実態調査を加えて、推奨レベルを決定し、推奨レベルの更新を行い、全国の助産師に周知する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究1:開業助産師の産痛緩和についての認識に関するインタビューは、当初対面を予定していたが、COVID‐19の影響で、インタビューの計画が順調に進まなかった。途中、オンラインでのインタビューに計画を変更し、予定人数の14名に対しインタビュー調査を実施した。今後、分析ソフトを用いて、データを分析し、まとめていく予定である。 また、研究2:産痛緩和に関してのガイドラインが発行された2013年以降の文献リストを、図書館司書の専門家をワーキンググループメンバーに入れて作成している段階である。今後は、文献レビューを行い、推奨レベルを検討していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、研究1:開業助産師の産痛緩和についての認識をインタビュー調査した結果を分析し、まとめた結果より、【量的調査】分娩を取扱っている全国の病院・診療所・助産所に勤務している助産師約1500名 、調査期間:2023年12月~2024年1月 、調査内容:産痛緩和法に関する質問(種類、効果の認識等)を実施予定である。 また、研究2:産痛緩和法の文献検討(種類と効果)、各文献の構造化抄録の作成、推奨レベルを研究メンバーで討議し決定する計画である。推奨案の決定後、推奨レベルを更新し、まとめて公開意見を冊子等で周知する予定で進めている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究1では、インタビューを行う際に購入予定だったデータ分析ソフトが変更となった。また、インタビューも対面とはならず、COVID‐19の影響でオンラインとなった。そのため、インタビューに関する旅費等の諸経費使用がなかったため、費用が変更となった。学会発表でも旅費を計上したが、研究進捗状況が遅れており、分析、まとめを行うまでに至らず、学会発表するまでにはならなかった。今後、結果をまとめて学会発表、論文投稿を行う予定である。 研究2では、文献検討を実施した結果とインタビューやアンケート調査結果から、推奨レベルを更新し、産痛緩和のエビデンスの再検証を行い、まとめて公開意見を冊子等で周知する計画を予定している。
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