研究課題/領域番号 |
22K11017
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
大田 康江 北里大学, 看護学部, 教授 (80650134)
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研究分担者 |
橋本 美穂 順天堂大学, 医療看護学部, 助教 (80613934)
佐々木 裕子 杏林大学, 保健学部, 教授 (80265769)
高橋 眞理 学校法人文京学院 文京学院大学, 看護学研究科, 特任教授 (20216758)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | タッチケア / 10代前半の子ども / 親子関係 / オキシトシン / 効果検証 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、10代前半の子どもとその母親を対象にタッチケアを導入し、まずその即時的効果について、心理学的・生理学的指標から包括的に評価する。次に、タッチケア持続強化介入による親子の孤独感および関係性への影響について評価することである。 2022年度は、タッチケア介入前後における即時的効果検証のためのプレ実験を2組の親子を対象に実施した。主にタッチケア中の心拍センサのモニタリング状況の検証を目的とした。介入プロトコールは次の通りである。①介入前に親子より唾液を採取。②5分間安静にしてもらいながら心拍センサを装着。③母親により5分間の腕および手へのタッチケアを実施してもらう。④介入後唾液を採取。本来であれば唾液は専用容器による採取であるが、介入の効果の程度を簡易的に観察するために即時に結果の出る簡易測定器によりアミラーゼ値を測定した。 次のような課題が明らかになった。10代前半の子どもにとって実験室は馴染みのない環境であり子どもの好奇心を掻き立て5分間の安静保持で気持ちを落ち着かせることが困難であった。また簡易的アミラーゼ値の測定では、介入後に子どものアミラーゼ値は減少がみられたが、母親は介入後で増加がみられた。母親が子どもを落ち着かせようと試行錯誤する行為が精神的ストレスとなった可能性も考えられた。以上のことから静かな刺激のない環境設定の工夫が必要である。タッチケアの経験が初めての親子とっては、子どもが心地よい程度のタッチケアの方法で実施するのに時間を要していた。ある子どもはタッチケア時くすぐったがり、体動が激しく心拍センサにノイズが発生し測定が正確にできなかった。タッチケア時間を親子で心地よい圧を模索する時間を含めた10分間とするなどの工夫が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究代表者が、今年度所属先を異動したため研究の時間確保が困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、プレ実験により明らかになった課題を基に介入実験プロトコールの修正を検討し再度プレ実験を行い、研究対象者の募集の準備を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ測定のための心拍センサ機器の追加購入および唾液測定のためのELISAキット等を2022年度の経費として計上していたが、今年度はプレ実験にとどまったため、次年度は測定機器等の購入にあてていく予定である。
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