研究課題/領域番号 |
22K11059
|
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
大北 真弓 三重大学, 医学系研究科, リサーチアソシエイト (30806914)
|
研究分担者 |
岩本 彰太郎 三重大学, 医学系研究科, リサーチアソシエイト (20456734)
宮崎 つた子 三重県立看護大学, 看護学部, 教授 (30314115)
村端 真由美 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (30363956)
松岡 真里 三重大学, 医学系研究科, 教授 (30282461)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | 痛み / 採血 / 緩和 / こども / 障害 |
研究実績の概要 |
2023年度は、第一研究の調査・分析を終了した。第一研究は、重度の障害をもつこどもの母親が採血に付き添った体験を明らかにすることを目的とし、15名の母親に対し面接調査を行った。その中で、初めて採血に付き添った母親10名分のデータを、Thematic analysisを用いて質的に分析した。その結果、実際に採血に付き添ったことで、母親は「こどもの痛みを察知」して共感し、「こどもの頑張りを注視」していた。母親は自分だからできる声掛けやタッチングを通し「こどもに付き添う意義を痛感」していた。一方で、母親は医療者への信頼や遠慮から「こどもに合わない医療者の対応を黙認」し、「ほかの子どもとの接し方の違いを実感」して心を痛めていた。母親は採血に付き添えなかった「過去の採血体験」や、筋緊張が入りやすい「こどもの特性を熟知」していることから、親として「こどもに合ったよりよい採血方法を希求」していた。親と協力してこどもに合ったよりよい採血を実施することは、「こどもの痛みを緩和」するとともに「親役割を実感」することにつながっていた。現在、論文執筆中であり、2024年に学会発表と論文投稿予定である。本研究結果から、こどものことをよく知る母親がこどもの採血場面でどのような痛み緩和行動をとるのか、また、医療者に対して求める痛み緩和ケアが明らかとなったため、それを踏まえて第三研究の調査項目を考え、第四研究の痛み緩和介入研究につなげていく。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2023年3月で研究職を辞し、臨床の場で勤務するようになったことで、研究時間の確保が難しくなった。
|
今後の研究の推進方策 |
2024年度は、第一研究の論文投稿と、第三研究を開始する。まずは、研究計画書の作成と倫理申請、年度末までに全国調査を行いたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究が思うように進まなかったことで、学会参加、論文投稿に関する支出がなかった。今年度は学会発表、論文投稿を予定している。また、全国調査を行うため、発送作業に人件費がかかる予定である。
|