研究課題/領域番号 |
22K11060
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
副島 尭史 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (00768989)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 小児・AYAがん経験者 / 患者経験 / 治療・健康管理と就労の両立 |
研究実績の概要 |
1.実施概要:本研究は、まずサバイバーシップケアに対する小児・AYAがん経験者の患者経験を評価できる尺度を開発し(目的1)、患者経験の実態および患者経験と健康関連アウトカムの関連を明らかにする(目的2)。さらにサバイバーシップケアに対するPXの評価を臨床で可能にするツールを開発する(目的3)。本研究の知見は小児・AYAがん経験者のサバイバーシップケアに対する患者経験を理解し、サバイバーシップケアの内容・提供体制を改善することに寄与できると考える。 2.実施内容:小児・AYAがん経験者のサバイバーシップケアに対する患者経験を測定する尺度について文献レビューを行い、Arora et al.(2012)により作成された尺度を第1候補としている。また、患者経験が影響するアウトカムとして、健康関連QOLのみでなく、就労といった社会生活のアウトカムを設定することを検討し、Gragnano et al.(2017)のWork-Health Balance Questionnaire、McGonagle et al.(2020)のWork-Health Management Interferenceなどの治療・健康管理と就労の両立を測定する尺度もあわせて開発することを検討している。これにより就労している小児・AYAがん経験者において重要なアウトカムを含めることが可能となる。また、様々ながんの診断を受けた経験者を研究参加者とする上で、医療機関からのリクルートでは研究参加者のがん種に偏りが生じる可能性があるため、調査会社からの募集を検討し、それに伴い倫理審査の準備・手続きを進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、小児・AYAがん経験者のサバイバーシップケアに対するPXを測定する尺度の認知的インタビューまで終了する予定であったが、フィールド調査までを含めた倫理審査の準備・手続きを行ったため、当初の計画よりやや遅れていると考える。
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今後の研究の推進方策 |
調査会社との検討を進めながら、小児・AYAがん経験者のサバイバーシップケアに対するPXやPXが影響するアウトカムを測定する尺度の認知的インタビュー、フィールド調査の実施を計画している。認知的インタビューを令和5年12月までに、フィールド調査を令和6年3月を予定している。認知的インタビュー、フィールド調査終了後は、統計解析ソフト(NVivo、SPSS、R、AMOS)を用いて、データ分析を進め、その成果を順次、専門誌での論文掲載および学会発表により発表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
前期:対象者への謝礼などが残額として残ったが、認知的インタビュー・フィールド調査で使用する予定である。また、学会での最新情報を学ぶために、旅費等が必要になる。後期:認知的インタビュー・フィールド調査を実施し、その終了後(令和6年3月)は、データ入力・統計解析をする予定である。また調査結果は専門誌への投稿を予定している。そのため、専門誌への投稿に伴う英文校正費が必要になる。また、学会での成果発表・最新情報を学ぶために、旅費等が必要になる。
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