研究課題/領域番号 |
22K11066
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研究機関 | 北海道文教大学 |
研究代表者 |
横山 佳世 北海道文教大学, 人間科学部 看護学科, 准教授 (60850500)
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研究分担者 |
今野 美紀 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (00264531)
菅原 美保 北海道文教大学, 人間科学部, 講師 (70805712)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 子どもに病気を伝える / 急性・重症状態の親 / 家族支援 / クリティカルケア / 子どもの権利 / 病気の親をもつ子ども |
研究実績の概要 |
子どもであっても自分自身の意見を表明し、知る権利がある。子どもの親が生命の危機に直面している際に、その子どもの認知発達に合わせた内容と方法で親の病気について説明していく支援は、子どもの意見の尊重、および子どもの最善の利益を守るために必要であり、特に最近では新型コロナウイルス感染症で親と死別するなど生活の基盤が揺らぐ子どもが増えている。病気の親を持つ子どもに親の病気について説明していく支援は、我が国では標準的なケアとして行われていない現状である。病気の親を持つ子どもへ親の病気について説明していく支援を展開できることが急務である。本研究は、1我が国の急性・重症疾患の親の子どもへの支援の現状と2効果的なケアを調査の上で明らかにし、3急性・重症疾患患者を親に持つ子どもへ、親の病状説明に向けた支援プログラムを開発することを目的としている。 令和4年度は新型コロナウイルス感染症の感染状況の拡大により、研究協力者となる急性・重症患者に関わる医療従事者の研究協力を得ることが難しく、研究調査ができていないため、実績としてまとめられていない。R4年度は研究準備として研究協力者と協働し、量的調査(アンケート)、質的調査(実際に急性・重症患者ケアに従事している専門看護師)に対し、研究の準備を進めている段階である。臨床現場からは病気の親を持つ子どもに親の病気について説明していく支援は急務であるというニーズがあるため、感染状況が落ち着いている時に調査ができるように努めたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和4年度は新型コロナウイルス感染症の影響により、研究協力者となる急性・重症患者に関わる医療従事者が臨床での感染者への対応のため研究協力を得ることが難しく、また、研究者も医療機関での実習指導で行動制限を科されていたため量的および質的データを得ることができなかった。研究計画の段階では新型コロナウイルス感染の拡大状況は予測できなかった。その間、研究協力者とはWeb会議などで調査準備を行っていた。新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いてきたため、改めて研究分担者および協力者と研究計画の修正について検討している。
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今後の研究の推進方策 |
令和 5年度 【調査1:急性・重症疾患の親の子どもへ病状説明についての実態調査】 調査目的:我が国における急性・重症疾患の親の子どもへの病状説明についての現状を明らかにする。対象者 :国内の高度救命救急センター42施設、地域救急救命センター16施設、ドクターヘリ基地施設 58 施設を有する医療機関に所属し、当該部署で勤務する看護師 116 名。小児看護専門看護師 256 名、急性・重症患者看護専門看護師 280 名。研究方法:自記式 質問紙を作成し、子どもの説明の有無、説明の内容、説明 時の困難等で、対象医療機関に郵送し、WEB アンケート方法で回答してもらう。得られたデータは SPSS を用いて統計解析し、記述部分については質的に分析する。2 研究協力者への協力依頼について 日本専門看護師協議会のホームページ、およびメーリングリストを利用し研究協力の呼びかけをした上で、対象医療機関に WEBアンケートに関する調査資料を郵送し、研究の目的を説明した上で、研究協力者を募集する。 【調査 2・3:急性・重症疾患の親の子どもへの病状説明の実践集の作成】 調査目的:支援プログラムの開発に向けた急性・重症疾患の親の子どもへの病状説明についての実践例を集約する。対象者 :研究協力者(小児看護専門看護師、急性・重症患者看護専門看護師)。 調査1の WEBアンケートの際に質的調査への協力依頼を同時に行う。 研究方法:半構成的面接調査を実施する。得られたデータを質的に分析する。 対象者 :研究協力施設(高度救命救急センターと ICU の両方を有する医療機関) 所属する看護師、専門看護師、看護管理者、医師など研究方法:研究協力施設の観察調査、医療チームへのグループ面接調査を実施する。 得られたデータを質的に分析する。 令和6年度 支援プログラムを作成する
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度で研究協力が難しいことが理由で研究調査ができず、次年度で調査を行うため。
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