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2023 年度 実施状況報告書

妊婦の睡眠障害に対する『簡易版digital CBT-I』の開発と評価

研究課題

研究課題/領域番号 22K11074
研究機関日本赤十字看護大学

研究代表者

加藤 千穂  日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (40789351)

研究分担者 江藤 宏美  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (10213555)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード妊婦 / 不眠症 / メンタルヘルス / 産後うつ病
研究実績の概要

2023年度は予備研究として、妊娠期から産後の不眠症のスクリーニングを行いうつ病との関連を明らかにすること、およびうつ病の危険因子を明らかにすることを目的として横断調査を実施した。妊娠初期、中期、末期、産後1か月、産後4か月の計5時点でのWeb質問票調査を実施した。対象者はローリスク分娩を取り扱う産科施設もしくは市町村の4か月健診を受診した女性とした。調査項目は、背景因子を検討するための基本情報および不眠症とメンタルヘルスに関する質問で構成した。不眠症はアテネ不眠症尺度(AIS)、うつ病はエディンバラ産後うつ病自己評価票(EPDS)を使用した。その他の睡眠関連質問と、うつ病関連因子として孤独感尺度(TIL)、全般性不安障害尺度(GAD-7)を使用した。妊娠期から産後の各期を調整し、関連因子の強制投入法による二項ロジスティック回帰分析にて女性のうつ病の危険因子を検討した。妊娠期は147名、産後は176名が分析対象となった。妊娠期と産後の不眠症軽度以上の有病率は妊娠期52.4%、産後55.7%と有意差はみられなかった。妊娠期~産後の各期における不眠症の割合は、妊娠末期(58.5%)と産後1か月(68.4%)で高かった。多変量解析では、軽度以上の不眠症疑い[OR=3.55, 95%CI(1.80, 7.00)]および高い孤独感[OR=6.05, 95%CI(3.24, 11.30)]が、うつ病の危険因子となった。軽度以上の不眠症疑いの割合は、妊娠末期~産後1か月がピークであり、不眠症と孤独感は妊娠期から産後の女性のうつ病リスクを高めるため、メンタルヘルスへの早期介入のために重要な指標となることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の計画では2023年度に妊婦向け簡易版digital CBT-I(アプリ)の開発を進める予定であったが、アプリ作成に向け妊婦の睡眠に関する予備調査が必要であり、横断調査にとどまった。

今後の研究の推進方策

2023年度の横断調査の結果を踏まえて、妊婦向け簡易版digital CBT-I(アプリ)の開発を進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

物品が予算より安価で購入できたため、次年度に再度物品費として使用予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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