研究課題/領域番号 |
22K11127
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研究機関 | 群馬パース大学 |
研究代表者 |
廣田 幸子 群馬パース大学, 看護学部, 教授 (00587678)
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研究分担者 |
矢島 正栄 群馬パース大学, 看護学部, 教授 (40310247)
奥野 みどり 群馬医療福祉大学, 看護学部, 教授 (80644484)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 支援ガイドライン / 就労支援 / 支援をまわす / 支援をつなぐ / 支援ネットワーク構築 |
研究実績の概要 |
2023年度は、就労後にASDまたはADHDと診断される労働者支援ツール原案作成のため、先行研究より示された支援方法について実践家による活用可能性への意見集約を目的に、2件(2023年3月8日群馬産業看護研究会研修会および3月18日群馬パース大学第4回公開講座)の成果発表を行った。 支援は、本人の就労生活に沿って困りごと解決の「支援をまわす」とフォローアップの「支援をつなぐ」から形成された。「支援をまわす」には最も適切な方法を考慮する「マネジメント担当」があり、日常的に対応が可能な産業看護職や人事労務担当者が該当した。産業医、専門家らを含むすべての支援者は解決に向けた直接支援の役割として「困りごと解決担当」であった。支援は「まわす」と「つなぐ」のスパイラルを描きながら、本人や職場の強化を図り、彼らの自立した就労生活に向けたプロセスとして示された。 この支援方法の活用に関するアンケート調査の結果、群馬産業看護研究会研修会参加者36名の内、産業看護職11名から自由記述による回答を得て、実践家における振り返りのツールおよび支援ガイドラインへの活用の示唆が得られ、支援者としての態度や労働者の人生を包含した支援の方向性といった認識の強化へ寄与することが明らかになった。 また、発達障害者に特化した就労移行・定着支援施設の視察を行い、医療施設のデイサービス等を基盤としたプログラムにより個別の特性に応じて構造化された就労および生活スキルにおける支援方法の理解を深めた。作業療法士による構造化された作業工程の指示書は今後の事業場における一貫した指示内容への示唆が得られた。さらに事業場による多様な専門家の活用と発掘、および支援ネットワーク構築への重要性が明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
先行研究にて提示された就労後にASDまたはADHDと診断される労働者支援方法の妥当性と活用可能性への示唆を得ることを目的とした成果発表の計画に遅れを生じた。学術集会における発表の機会は早期に設定が可能であったものの、実践家を含めた幅広い意見集約を意図したため、研修会等の計画に時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、2022年度の結果をもとに支援ツールの原案を作成する。 支援ツールは、①支援モデルの全体像、②「職場の困りごとのアセスメント」シート、③支援計画シート:「本人の対処力の強化」、「職場の対処力の強化」、「本人と職場の意向調整」、「支援環境の整備」の各項目シート、④「支援結果と課題」シートで構成された記録様式として作成を試みる。①のモデルの全体像には、使用の心得や支援者の態度を包含する内容とする。また、記録作成に必要な個人情報管理に必要な様式を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度計画した視察予定の施設について、事前に確定することが困難であり、旅費の見込み金額に相違が生じた。次年度について、支援ツール作成における研究分担者との打ち合わせ旅費等に使用を計画する。
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