研究課題
今年度は2024年以降の研究の準備として、身体活動量を簡便に評価する質問紙(簡易PAQ: Physical Activity Questionnaire)の開発に取り組んだ。自立歩行が可能な65歳以上の高齢者を対象とした。簡易PAQは、週にMVPAに従事した日数と1日当たりの活動時間に関する質問に基づいて、週あたりのMVPA時間を算出するものである。設問の作成に際しては、高齢者が理解しやすく迅速に回答できることを優先した。具体的な設問内容は以下の通りである。「①普段の1週間では、少し息がはずんだり呼吸が乱れるような活動を行う日は何日ありますか。(具体例:早歩き、自転車こぎ、体を動かす家事、荷物の運搬、庭仕事、農作業、水泳、ジョギング、スポーツ等)」「②その日は何分くらい、少し息がはずんだり呼吸が乱れるような活動を行っていますか。」基準妥当性は、簡易PAQから得られたMVPA時間と加速度計(ActiGraph)及び国際標準化身体活動質問票短縮版(IPAQ-SF)から得られた時間との相関をスピアマンの順位相関係数を用いて評価した。165名の高齢者(77.0 ± 5.8歳)が解析対象となった。簡易PAQの再テスト信頼性は良好であった(ICC 0.78, 95%CI 0.64-0.87)。簡易PAQは加速度計で測定されたMVPAと一定の水準で相関しており(rho = 0.297, p < 0.001)、対照的にIPAQ-SFは加速度計で測定されたMVPAとの相関は低かった(rho = 0.139, p = 0.076)。活動量低下を判別する簡易PAQのカットオフ値は150分、ROC解析におけるAUCは0.60であった。作成した簡易PAQは地域在住高齢者のMVPAの評価に良好な信頼性と利用可能な妥当性を有していることが確認された。
2: おおむね順調に進展している
現在のところ、概ね順調に研究が実施できている。引き続き、研究を推進していく予定である。
メインの研究実施に向けて、地域在住高齢者に対してウェアラブルデバイスの装着を依頼を進める。ウェアラブルデバイス装着による身体活動量の変化やアドヒアランスを調査する。
ウェアラブルデバイスの購入数が少なく済んだため、次年度使用額が生じた。
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