研究課題/領域番号 |
22K11152
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研究機関 | 高知県立大学 |
研究代表者 |
小原 弘子 高知県立大学, 看護学部, 講師 (20584337)
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研究分担者 |
大川 宣容 高知県立大学, 看護学部, 教授 (10244774)
森下 幸子 高知県立大学, 看護学部, 准教授 (40712279)
池田 光徳 高知県立大学, 看護学部, 教授 (70212785)
山本 かよ 高知県立大学, 健康長寿センター, 特任助教 (90737446) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 高齢者 / 在宅療養 / 救急 / 看護 |
研究実績の概要 |
2023年度は、高齢在宅療養者の急変時における訪問看護師の判断と対応を明らかにした。訪問看護師経験3年以上で、高齢在宅療養者の急変対応の経験のある高知県内・外の訪問看護師8名に60分程度の面接調査を実施した。面接調査の内容は、年齢・疾患など事例の概要、対応の経過(どのような情報から身体状態をアセスメントし、緊急度および救急搬送の必要性を判断したか、療養者と家族にどのように説明し対応したか、救急隊や医療機関と搬送に向けてどのように調整したか、その転帰)であった。面接内容は、質的記述的に分析した。対象となった訪問看護師8名について、訪問看護師経験年数は3~16年であり、そのうち4人が在宅看護専門看護師であった。語られた事例は、がん末期、慢性心不全、ALSなど多様であった。訪問看護師は、訪問時に声をかけながら意識や呼吸様式を確認し、いつもと異なる状態であることを判断していた。その後、バイタルサインの計測や詳細観察を行いながら、普段の値や状態とを比較し、救急搬送の必要性を判断していた。救急搬送必要性の判断において、訪問看護師は、病院での医学的介入がないと生命の危険性が生じることを予測していた。療養者と家族には、救急搬送が必要であることとその根拠について、要点をまとめたうえで包み隠さず端的に伝え、救急搬送の納得を得るようにしていた。救急隊の到着まで、意識と呼吸状態を確認しつつ安楽な体位の確保や声掛けを行っていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度、予定していた面接調査が終わり、高齢在宅療養者の急変時における訪問看護師の判断と対応を明らかにすることができた。教育プログラム案作成に向け、高齢在宅療養者の急変対応に必要な知識・技術も現在明らかにしようとしている。このことから、教育プログラム案作成に向け、おおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
現在明らかにしている高齢在宅療養者の急変対応に必要な知識・技術をもとに、事前・事後学習、講義、シミュレーショントレーニング、グループ討議で構成される、遠隔教育プログラム(案)を作成する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度の研究成果である「高齢在宅療養者の急変時における訪問看護師の判断と対応」をテーマとした研究結果について、論文化し海外雑誌に投稿予定であった。しかし、まだ、論文が完成されておらず、ネイティブチェック代金および投稿代金の使用に至らなかったのが理由である。
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