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2022 年度 実施状況報告書

VBPに基づく共同創造による精神障がい者のパーソナルリカバリー支援モデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K11172
研究機関佐賀大学

研究代表者

藤本 裕二  佐賀大学, 医学部, 助教 (30535753)

研究分担者 藤野 成美  佐賀大学, 医学部, 教授 (70289601)
古野 貴臣  佐賀大学, 医学部, 助教 (90775363)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード精神障がい者 / リカバリー / 価値
研究実績の概要

本研究の目的は,精神保健医療福祉領域における当事者と支援者の価値基準を重視した,新たなリカバリーアプローチ方法を検討することである。本研究の初年度(令和4年度)は,本研究に関する国内外の文献検討を丁寧に実施した。
海外では,当事者こそがサービス設計の手助けに最も適した立場であるという原則から,当事者と支援者が協働してサービスを設計する価値主導のアプローチが報告されていた。一方,サービス利用者のニーズと支援者の知識や経験から考える支援や評価は異なり,当事者と支援者の視点が乖離していることも指摘されていた。これまでも患者の嗜好や価値観を反映したアプローチ法が取り入れられいるが,これらは患者と医療従事者相互の合意が前提条件となっている。価値観の違いが顕著でない場合,価値観の対立は見逃されやすく,対立する考えや価値観に対して無理に合意することは予期せぬ決定や結果をもたらすことが報告されており,当事者と支援者の価値観の相違に着目したアプローチ方法が重要と考えられた。また,価値を基盤とした実践では,脳障害患者や終末期患者,脊髄損傷患者の報告はあるものの,精神保健医療福祉領域における当事者と支援者の価値に関する報告は極めて少なかった。したがって,今後は,当事者と支援者の双方が認識するリカバリー支援における価値観の相違と実態を明らかにし,当事者と支援者の価値基準を重視したリカバリーアプローチについて検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は,本研究に関する国内外の文献検討を実施した。交付申請書に記載した研究計画・実施スケジュールでは,当事者を対象にリカバリー支援のニーズに対するインタビュー調査までを実施予定としていたが,新型コロナウイルス感染症の影響もあり,インタビューガイドの検討と作成までとなったため,現在までの進捗状況を「やや遅れている」とした。

今後の研究の推進方策

今後は,当事者と支援者を対象としたインタビュー調査を実施し,質的帰納的に分析する。インタビューガイドは,研究分担者と必要に応じて検討する予定である。対象者は,リカバリー活動に関わるピアサポータ―等に調査協力を依頼しており,内諾は得られている。また,支援者についても,これまで地域で暮らす精神障害者のリカバリー支援に関する調査を実施しているため,医療機関や各施設の協力が得やすい状況である。

次年度使用額が生じた理由

本年度は,インタビュー調査を実施することができなかったため,本研究を遂行する上での研究打ち合わせと調査の旅費及び,調査に必要な物品購入が減ったことにより,研究計画書で計上した予定額と実支出額に誤差が生じた。

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公開日: 2023-12-25  

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