研究課題/領域番号 |
22K11182
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
深山 華織 大阪公立大学, 大学院看護学研究科, 講師 (40613782)
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研究分担者 |
三輪 恭子 大阪公立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (30310634)
牛 冰 大阪公立大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (90756363)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 就労介護者 / キャリア形成 / 仕事と介護の両立 / 介護離職 / ワーク・ファミリー・コンフリクト |
研究実績の概要 |
わが国では,人生100年時代を見据えた仕事と介護の両立が可能な働き方の普及促進を行い,「介護離職ゼロ」を目標としている.介護離職による不利益な影響は,経済や心身の健康的側面だけではなく,就労介護者の将来のキャリア形成にも及ぶ.そこで,本研究では,仕事と家庭との多重役割を担う就労介護者のキャリア形成における意思決定に影響を及ぼす要因を検証することを目的とした. 2023年3月経済産業省は,働きながら家族を介護する人「ビジネスケアラー」を巡り,労働生産性の低下,介護離職による労働損失などに伴う経済面の損失が2023年に9.2兆円に上るとの試算を公表した.今後,介護が必要な高齢者が増えることが見込まれており,働きながら介護をする家族がキャリアを形成し,介護と両立していくための支援がより重視されることとなると考える. まず,就労介護者3,000名を対象とし,就労介護者の仕事と家庭役割間における葛藤と就労継続への意思との関連を明らかにするため,横断調査を実施した.696名(有効回答率23.2%)を分析対象とし,ワーク・ファミリー・コンフリクト(WFC)が高い就労介護者は離職意思があり,就労継続が困難となる可能性があることが示唆された. 次に,労働者の介護リテラシーとキャリア自律との関連を検証するため,A社の従業員約2,700名に対し,webにて横断調査を実施することとした.現在倫理審査の申請を行い,2024年度にデータ収集および解析を行うために,研究協力者と調整を行っており,今後計画的に実施し,研究成果をまとめていく.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度,労働者や産業看護職にインタビュー調査を実施する予定であった.その過程で研究対象者へのアクセス困難により計画の見直しが必要となり,当初の実施計画を変更したため、進捗状況にやや遅れが生じている. 今年度は,調査フィールドの確保や調整が進められたため,計画的に調査を実施していく.
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今後の研究の推進方策 |
今後,本研究において以下の計画のもと進めていく. ① 研究倫理審査委員会の審査を受け,労働者への調査を実施し,データ収集を行う. ② 共同研究者と解析を行い,成果をまとめる.
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)予定していた調査を実施に遅れが生じ,これに伴う郵送代やデータ収集・分析に伴う人件費,消耗品,資料収集などに使用しなかったため. (使用計画)次年度は,データ収集・分析に伴う旅費や消耗品・資料収集などに使用する.
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