研究課題/領域番号 |
22K11184
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研究機関 | 医療創生大学 |
研究代表者 |
葛西 好美 医療創生大学, 国際看護学部, 教授 (70384154)
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研究分担者 |
川口 孝泰 医療創生大学, 国際看護学部, 教授 (40214613)
今井 哲郎 広島市立大学, 情報科学研究科, 講師 (10436173)
大石 朋子 (大塚朋子) 湘南鎌倉医療大学, 看護学部, 講師 (40413257)
伊藤 嘉章 医療創生大学, 国際看護学部, 准教授 (60804870)
高橋 道明 医療創生大学, 国際看護学部, 准教授 (90710814)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 訪問看護 / 判断支援 / AI / 臨床判断 |
研究実績の概要 |
本研究は、訪問看護に必要なAI技術により導き出された根拠データと、訪問看護師の経験知を融合(拡張知能:Extended Intelligence)させた、臨床判断支援システムの開発を目的とする。昨年度は、訪問看護師が看護実践の中で困難と感じる際の臨床判断の支援に必要となる、在宅療養者・家族等の「状況認識」と「看護の必要性の判断」の内容を基に、AIを活用した新たな臨床判断支援の学習モデルを構築した。 本年度は、訪問看護師が看護ケアを行う療養者・家族等の情報の入力により判断支援を可能とする、学習済みデータを用いた判断支援アプリケーションの設計・構築を行った。また、新たに収集した訪問看護師への困難事例に関するインタビューデータをもとに、療養者・家族の状況を分類して妥当性を検討した。さらに、円滑な臨床判断支援システム展開を目指し、判断支援アプリケーションのユーザビリティ評価およびICT導入のための訪問看護師向け教育プログラムに関する訪問看護師への調査を開始した。 判断支援アプリケーションの設計・構築においては、訪問看護師が利用しやすいデザインや仕様とした。判断支援アプリケーションへ困難事例に関する療養者・家族の情報を入力し、機械学習によって得られた成果をもとに状況分類および判断支援内容を提示することができた。また、集積した新たな困難事例に関する療養者・家族の状況を分類した結果、本アプリケーションにより提示する状況分類において妥当性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、以下の目標を設定している。 1.AI(機械学習)を活用した新たな臨床判断支援モデルの作成 2.訪問看護師の臨床判断支援システムのアプリケーション化に向けたユーザビリティ評価 3.臨床判断支援システムの実装と評価 本年度は、目標2の訪問看護師の臨床判断支援システムにおいて、機械学習で得られた成果を提示できるようアプリケーションを設計・構築した。また、判断支援システムの実装と評価に向け、円滑なシステム展開に必要なユーザビリティ評価および訪問看護師向け教育プログラム開発を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、臨床判断支援に関する特定モデルの精度向上と、実際の訪問看護師の判断データとの融合を目指すために、新たな集積データを用いて再学習を実施し、学習データ・セットの組み合わせを検討する。また、本アプリケーションのユーザビリティ評価、ICT導入のための訪問看護師向け教育プログラム開発を行い、臨床判断支援システムの実装・評価を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、訪問看護師が看護ケアを行う療養者・家族等の情報の入力により判断支援を可能とする、学習済みデータを用いた判断支援アプリケーションの設計・構築を行った。翌年度は、円滑な臨床判断支援システム展開を目指し、判断支援アプリケーションのユーザビリティ評価、ICT導入のための訪問看護師向け教育プログラムに関する訪問看護師への調査の継続、臨床判断支援システムの実装と評価を行う。そのため、当該助成金については翌年度分と合わせて使用する。
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