研究課題
令和4年度まで賀茂地区で行っていた調査を、令和5年度は袋井市にフィールドを移してコホート研究に必要な臨床情報・生体試料を収集した。下部尿路症状との関連を検討する目的で、骨格筋量指数、下肢筋力、歩行速度、5回立ち上がり時間など身体パフォーマンスの情報も収集した。今年度新たに約900名のデータを収集することができ、累計対象者数は約2500名となった。加えて、下部尿路症状の一つの要因である骨盤底機能の低下が下肢筋力と関連するかを検証した。大学生を対象として超音波診断装置を用いて骨盤底機能を評価し、下肢筋力、国際尿失禁質問票を用いた尿失禁症状などの情報を収集した。収集したデータを用いた関連解析から、下部尿路症状の一つである腹圧性尿失禁と骨盤底機能との関連を検討した。その結果、女性高齢者において、年齢や骨格筋量指数などの既知のリスク因子で調整後も下肢筋力は腹圧性尿失禁と関連することが確認された。また、女子大学生において超音波診断装置を用いて評価した骨盤底機能と下肢筋力と関連することが確認された。この結果は第65回日本老年医学会学術集会にて発表した。今年度収集したデータを加えて再解析を行い検証を進めていく。またこの成果は日本老年医学会学術集会、日本公衆衛生学会学術総会、日本ウィメンズヘルス・メンズヘルス理学療法研究会学術大会等の国内学会にて発表し、論文化を進めていく。来年度はさらにサンプル数を増やし、この関連について詳細な検証を進めていく予定である。
2: おおむね順調に進展している
順調にサンプル数を増やし、検証をすすめている。検証結果は、国内学会での発表を行い、論文化をすすめている。
コホートでの追跡調査および新しいフィールドでの調査を予定している。
初年次に新型コロナの影響により予定通り実施できなかったため使用額が減少した。未実施分については次年度行う予定である。
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