研究課題/領域番号 |
22K11195
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研究機関 | 岐阜保健大学短期大学部 |
研究代表者 |
小池 孝康 岐阜保健大学短期大学部, その他部局等, 助教 (10720253)
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研究分担者 |
林 久恵 愛知淑徳大学, 健康医療科学部, 教授 (80444404)
鈴木 啓介 岐阜保健大学, リハビリテーション学部, 講師 (50783750)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 下肢血流ケアプログラム / 下肢血流障害 / オンデマンド教材 / 血行再建術後 / 生活動作・姿勢 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、血行再建術後の下肢血流障害患者に対するオンデマンド教材を用いた適切な生活動作や姿勢保持の指導が、術後の下肢血流低下への予防効果を認めるか検証することである。下肢血行再建術の施行により、下肢血流が改善され疼痛や創傷に対する良好な転帰を迎える一方、術後短期間で下肢血流低下に至ることも少なくない。その原因として、生活動作の反復ストレスや不良姿勢が影響する可能性が指摘されているが、実際の生活動作や不良姿勢が術後の下肢血流低下に及ぼす影響は明確に示されていない。 また、下肢血行再建術後患者に対する適切な術後生活動作や不良姿勢に対する指導は統一されていない現状がある。これらの課題によって、コロナ禍において診療機会が減少したことで術後下肢血流の低下をさらに促進することが危惧される。 令和4年度は、主に在宅において下肢血行動態に影響を与える生活動作、不良姿勢を患者が確認できるよう、下肢血行再建術における部位別、術式別の血流阻害姿勢や動作を検討したうえでその方法を提供するオンデマンド教材のパイロット版動画を作成したが、実際に患者に提供する段階までは至らなかった。 また、動画作成の過程として実施した意見交換から、動画で提示する予定の生活動作の反復ストレスや不良姿勢が、どの程度下肢の血行動態に影響を及ぼすか、妥当性の検証が必要であるとの結論に至った。 そのため、健常者モデルによる動作、姿勢による下肢血行動態の変化を比較する研究計画を新たに追加し、実施に向けて準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の影響により、オンデマンド教材として用いる動画の作成協力者との撮影機会の調整に難渋したことから、作成に想定以上の時間を要した。また撮影した姿勢、動作の妥当性について検証する計画を追加したことから、動画の完成が遅れており、研究協力施設との調整や実行可能性に対する協議が進展しなかったことが理由である。
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今後の研究の推進方策 |
早急に動画の完成を目指し、研究協力施設との動画内容のヒアリングや研究実施に関する協議を進めていく。また、同時進行で動画を提示する下肢血流低下をもたらすと想定される生活動作や不良姿勢に関する妥当性の検証を進め、これを踏まえた研究倫理審査を進める。 一方で、現在、妥当性の検証に用いる動作、姿勢の違いによる下肢血行動態を反映する機器の選定を行っている段階であるが、機器を決定し倫理審査が承認され次第、年度内に健常者に対する検証を行うよう準備を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響により研究進捗が遅れ、共同研究者の会議謝金および旅費交通費として分配した経費の支出がなかった。 本経費は、翌年度に繰り越すこととし、引き続き動画作成における検討会議、共同研究者との協議等を目的として共同研究者の分配金として使用する。
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