研究課題/領域番号 |
22K11200
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
榊原 文 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 講師 (60634467)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | インターネット依存 / インターネット過剰使用 / メディア対策 / 子どもの発育・発達 / コホート研究 / 子どもの情緒・発達の偏り / 子育て支援 / ネグレクト |
研究実績の概要 |
これまで,平成28年4月~平成29年9月に松江市で妊娠届出をした者の妊娠届出時,新生児訪問時,4か月児健診時,1歳6か月児健診時,3歳児健診時の縦断データを用いて,母親のインターネット依存と乳幼児期の子どもの発育・発達との関連を明らかにする研究を行ってきた。 令和4年度は,この対象集団の5歳児健診のデータを蓄積することができ,令和5年度中にデータセットが完成する予定である。令和5年度は,このデータセットを用いて,妊娠中あるい子どもが1歳6か月,3歳時点での母親のインターネット依存と子どもの情緒・発達の偏り(SDQ: 発達障がいのスクリーニング調査を使用)との関連について解析する。 母親がネット依存の場合,子どもは幼少期からネットに触れることが多く,学童期の長時間メディア使用につながる可能性がある。また,母親がネットに没頭することで生活習慣が乱れ,養育が疎かとなり,ひいては,子どもの生活習慣や学業等にも悪影響をもたらす可能性がある。そのため,これまで母子保健で蓄積したデータと,学童期の子どもの生活習慣やネット使用時間等(健康・生活調査を実施予定)のデータをリンクさせる仕組みをつくるため,松江市教育委員会および松江市子どもとメディアに関する協議会と検討を行っている。令和6年度に,対象集団の子どもが小学1,2年生になるため,令和5年度中に,松江市教育委員会および松江市子どもとメディアに関する協議会と健康・生活調査(メディア使用含む)の内容を検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4年度は,ゲーム障害の治療を行っている医師にインタビューを行い,ネット依存の子どもの実態や背景,ネット依存の子どもの親や家庭の状況等について明らかにする予定であったが,新型コロナウイルス感染症の影響により,県外移動がままならず,実施することができなかった。しかし,コホートデータは順調に蓄積できたため,「やや遅れている」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は,妊娠中あるい子どもが1歳6か月,3歳時点での母親のインターネット依存と子どもの情緒・発達の偏り(SDQ: 発達障がいのスクリーニング調査を使用)との関連について解析する。 また,対象の子どもが小学1,2年生になる令和6年実施予定の「健康・生活調査(メディア使用含む)」の内容を松江市教育委員会および松江市子どもとメディアに関する協議会と検討する。 令和6年度に,ゲーム障害の治療を行っている医師にインタビューを行い,ネット依存の子どもの実態や背景,ネット依存の子どもの親や家庭の状況等について明らかにする。また,メディア対策に取り組んでいる学校教員等にインタビューを行い,メディア対策の難しさやネット漬けの子どもの現状,生活への影響,家族状況等について明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和4年度は,新型コロナウイルス感染症の影響により,県外移動がままならず,ゲーム障害の治療を行っている医師にインタビュー実施することができなかったため,次年度使用額が生じた。 令和5年度の経費は,妊娠中あるい子どもが1歳6か月,3歳時点での母親のインターネット使用状況のデータと,5歳児健診での発達障がいのスクリーニング調査(SDQ)のデータを突合させる費用に使用する。
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