研究課題/領域番号 |
22K11206
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研究機関 | 札幌市立大学 |
研究代表者 |
喜多 歳子 札幌市立大学, 看護学部, 教授 (30530266)
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研究分担者 |
村中 峯子 宮城大学, 看護学群, 准教授 (40944004)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 子どもの貧困 / 保健師 / 支援 / チェックシート |
研究実績の概要 |
2022年度は、研究責任者の体調不良により研究の着手が遅れ、計画全体に遅れが生じている。今年度は2回のオンラインによる会議を開催し、チェックリストの項目の草案作成とチェックリストの図式化に着手した。今年度の研究活動内容は、以下のとおりである。最初に、子どもの貧困世帯を支援する保健師活動の取得済みデータから、求められる実践内容を抽出し、チェック項目のリストを作成した。さらに不足しているチェック項目を文献等で検索、抽出し、リストに追加しアイテムプールを作成した。研究者間で、意味内容が重複している項目の要約と多義的な項目の内容を精査し内容の細分化と再分類を図った。さらにチェック項目を現任保健師が直感的に理解でき、実践可能と認識できるレベルとなるよう項目の用語と表現を検討した。次いで、それぞれのチェック項目の位置づけがわかるように、チェックリストの全体像の図式化を試みた。図式化の前に、それぞれのチェック項目の共通性に着目し、関連する項目の構造化をおこなった。構造は、8つのアセスメント領域(ライフラインの確認、危険な住まい、不十分な栄養、養育者の疾患・知的障害、虐待・不適切な養育、乏しい援助希求、社会的孤立、医療の必要性)、5つの直接的支援(貧困が親子に与える影響の予測、信頼関係の構築、社会福祉・社会資源による経済的困窮の軽減、多岐に渡る連携、支援計画の目標設定)で構成され、前提条件として、支援活動を行う上でベースとなる組織体制と地域活動を追加した。図式は、構造の関連図と構造別のリスト図の2案を作成した。チェック項目の順序性と図式化の妥当性について、今後の課題として次年度も継続して検討していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者の病気療養のためチェックシートの内容を検討する前提としての資料作成が滞り、計画に3か月ほどの遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、項目別に構造化されたチェックシート原案を作成させる。内容妥当性を確保するため、有識者会議でチェックシートの項目の内容について過不足、表現の検討を行いチェックシートを完成させる。有識者会議の構成員は、支援が困難な事例に対する保健師活動に関する研究を行っている者及び福祉事務所等で貧困世帯を支援している保健師らを想定している。 2024年度は、子どものいる貧困世帯で支援活動を行っている保健師を対象に、チェックシートの有用性を検証する調査を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究責任者の病気療養により、計画の進捗に3カ月ほどの遅れが生じた。そのため、研究者間の打ち合わせや情報共有はメールでのやり取りとオンライン会議のみの実施となり、支出がほとんど発生しなかった。2023年度は、対面による有識者会議の開催、学会での報告及び保健師を対象としたワークショップの開催、研究補助員、その他で使用する(物品費150千円、旅費250千円、人件費・謝金200千円、その他100千円)。2024年度は、学会発表と郵送法による調査に使用する(物品費34千円、旅費150千円、人件費150千円、その他815千円)
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