研究課題/領域番号 |
22K11219
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研究機関 | 京都橘大学 |
研究代表者 |
安彦 鉄平 京都橘大学, 健康科学部, 准教授 (80708131)
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研究分担者 |
村田 伸 京都橘大学, 健康科学部, 教授 (00389503)
重藤 隼人 京都橘大学, 健康科学部, 助教C (00906810)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 腰痛 / 介護職 / 中枢性感作関連症状 / ボディメカニクス / 疼痛に対する自己効力感 |
研究実績の概要 |
本研究は老人介護保健施設など35施設による多施設共同研究とし、介護職員1214人を対象とした。すべての対象に腰痛の有無、慢性腰痛の有無を調査した。さらに、腰痛者には腰痛の程度(NRS)、中枢性感作(CSI-9)、痛みに対する自己効力感(PSEQ)、痛みの破局的思考(PCS)および労働要因として介助量、介助頻度、介助におけるボディメカニクスの理解、介助環境について調査した。統計学的解析として、腰痛の有無と慢性腰痛の有無の性差についてカイ二乗検定および残差分析を用いた。さらに、同様の解析方法にて、性別と年代(18-39歳、40-59歳、60歳以上)を組み合わせた群間比較を行った。腰痛者のNRS、CSI-9、PSE、PCSは、性別と年代を2要因とした分散分析後、事後検定を行った。また、腰痛者の労働要因の比較はカイ二乗検定および残差分析を用いた。 有効回答数は936人(平均年齢43.5±12.9歳)、回収率が77.1%であった。性別と年代を組み合わせた群間比較の結果、腰痛の有訴率は18-39歳の男性(56.0%)で低く、40-59歳の女性(75.2%)で高かった。慢性腰痛の有訴率は18-39歳の男性(33.1%)で低く、40-59歳の男性(53.6%)で高かった。腰痛者のみの検討(648名)では、PSEQのみ交互作用が認められ、18-39歳では男性に比べて女性で低く、一方40-59歳では女性に比べて男性が低かった。残差分析の結果、介助量は60歳以上の男性と女性で少なく、18-39歳と40-59歳の男性で多かった。介助頻度は40-59歳と60歳以上の女性で少なく、18-39歳の男性で多かった。腰痛者のみの解析結果から男性への介助量の集中と自己効力感の低下が認められ、40-59歳の男性における慢性腰痛の一因である可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究1の看護・介護従事者を対象に、腰痛に関する一般情報、個人的要因、 環境要因について評価し、腰痛増悪・発生因子を大規模調査の検討については順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、アンケート調査を解析を進めることに加えて、包括的なプログラムの効果検証を行う準備を進める。個別最適化された運動プログラムとしての教育動画の撮影、運動プログラムの作成およびグループワークのテーマ設定について検討し、介入研究を開始する。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会参加がオンライン開催のため予算よりも安価であり、使用額が生じた。使用計画は、学会参加と実験施設への出張とする。
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