研究課題/領域番号 |
22K11219
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研究機関 | 京都橘大学 |
研究代表者 |
安彦 鉄平 京都橘大学, 健康科学部, 准教授 (80708131)
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研究分担者 |
村田 伸 京都橘大学, 健康科学部, 教授 (00389503)
重藤 隼人 京都橘大学, 健康科学部, 助教C (00906810)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 腰痛 / 介護職員 / 立ち座り動作 |
研究実績の概要 |
腰痛を有する介護職員における立ち座り動作時の荷重変化の特徴
介護職員の腰痛は、身体的な問題だけはなく心理状態に影響を及ぼし、介護業務の継続を困難にし、離職率や慢性的な人員不足など深刻な問題の一因であり、その予防と対策が求められている。本研究は、腰痛を有する介護職員の立ち上がりや座り動作時の床反力データから算出した荷重変化率(Rate of Force Development: RFD)を指標として用い、腰痛を有する介護職員の動作特性および身体的および心理的特徴との関連性を明らかにすることを目的とした。RFDは動作時の荷重の立ち上がり勾配を表し、荷重変化の速さと量を同時に評価できる指標である。介護職員49名を対象に、RFDおよび疼痛に関連した調査を行った結果、座り動作開始時のRFD値が低く、荷重変化の上昇が緩やかである特徴が示された。つまり、座り動作時において、立位から座面に殿部を接地するまでに重心の下方移動に対する制動が緩慢であると解釈できる。この動作特性は疼痛強度や運動恐怖感など疼痛関連指標との関連が示されており、腰痛による疼痛や心理的ストレスが正常な荷重制御を妨げている可能性が示唆された。とくに、座り動作では体幹前傾と下肢屈曲が要求されるが、腰痛者では体幹前傾運動を避ける傾向にあり、結果として座り動作でのRFDが低下したと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年、2023年ともに介護職員に対する調査および実験を計画通り実施しており、順調に進展している。これまで、採択された論文は2つ、投稿中の論文1つ、学会発表を3演題実施している。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度も調査研究を実施予定である。また、これまで測定したデータに関して、データ分析および論文執筆に取り組み、複数の論文を投稿する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は概ね予算を使用したが、わずかに次年度への使用額が残った。
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