研究課題/領域番号 |
22K11245
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
清水 洋子 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (90288069)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 子ども虐待予防 / 個別支援 / グループ支援 / 包括的支援 / 支援者育成プログラム / 保健師 |
研究実績の概要 |
本研究は実践的研究により子ども虐待予防・再発防止のための包括的支援(個別支援とグループ支援)を効果的に担うための支援者(保健師等)育成プログラムを作成し、その効果を検証することを目的としている。 2022年度は先行研究をもとに、個別支援とグループ支援を活用した包括的支援を行うために必要な能力の構成要素について階層分析法を用いて検討し抽出した。 結果、第一、第二、第三階層に能力項目を構造化し、能力構成要素を抽出した。具体的に、第一階層:「A組織、体制」「B個別支援」「Cグループ支援」「D関係機関・職種とのネットワーク」、第二階層:「A1支援のための研修体制」「A2支援者が相談・指導・支援を受けられる体制」、「B1コミュニケーションと信頼関係の構築」「B2情報収集とアセスメント」「B3包括的支援計画の立案」「B4グループにつなぐ・参加継続の支援」「B5個別支援評価」、「C1グループ運営・役割」「C2グループ参加に必要な個別支援」「C3グループ支援評価」、「D1関係機関・関係者とのネットワーク」「D2役割分担・連携・協働」、第三階層には「キャリアに応じた研修企画・実施・評価」「先輩から後輩へ体験を通じて知恵や技の伝授」「同対象が利用する一連の支援を共に体験」「母親とのコミュニケーションを図り信頼関係を築く」「グループに参加することで期待される効果を説明」「グループ参加の目標を確認・共有」「個別支援の評価と活用」「母親が改善するプロセスの理解」「グループ参加の適応判断」「安心できるグループ環境整備」「支援者間の目標共有」「グループ支援の評価と活用」「関係者間の役割分担」「連携・調整」などが抽出された。 今後、これらの能力項目案の妥当性を検証する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度の研究計画として、先行研究を踏まえ包括的支援のための能力を構造化し能力厚生要素の検討を行った。研究協力機関・支援者への協力依頼と研究計画の説明については新型コロナ感染症の影響により自治体・保健センター側との会議開催が次年度に延期となった。 上記の理由により、包括的支援のための能力項目の妥当性については、次年度虐待支援経験5年以上の熟練保健師に妥当性の確認や意見聴取を行うなど計画を変更して実施する。
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今後の研究の推進方策 |
初年度実施できなかった自治体研究協力機関の熟練保健師に対する研究計画の説明と協力依頼、および研究倫理委員会申請について、次年度以降にスケジュールを変更し取り組む計画である。 次年度は包括的支援のための能力項目案について、自治体研究協力機関の熟練保健師の協力を得て項目の妥当性や重要度を検討、階層構造の妥当性と解析については階層分析法の専門家の助言や先行研究等を参考にしながら研究を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症拡大の影響により研究協力機関との対面会議が開催できず情報交換はオンラインを利用したため、旅費や会議費等の使用が発生しなかった。 次年度は研究協力機関への研究計画の説明と協力依頼のための会議開催の費用や旅費、熟練保健師への協力依頼の謝金、研究に関連する国内外の学会等に参加するための旅費・学会参加費・翻訳費用、文献複写費や図書費、通信費、解析用ソフト代などの使用を計画している。
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