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2023 年度 実施状況報告書

急性期治療を担う一般病棟の身体拘束低減に向けた倫理教育プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K11271
研究機関順天堂大学

研究代表者

杉山 智子  順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (90459032)

研究分担者 大西 麻未  順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (10451767)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード看護学 / 高齢患者 / 倫理教育 / 身体拘束
研究実績の概要

本研究は、高齢者看護における倫理的行動尺度の開発に向け、高齢者医療・看護に取り組む病院の看護師を対象にし、尺度の信頼性と妥当性の予備的検討を行った。方法は、関連する複数の尺度項目を研究者間、さらに高齢者看護の実践者と共に内容妥当性の検討を行い、構成概念及び尺度項目を選定した。予備調査にて表面妥当性を検討した上で、高齢者医療・看護に取り組む5病院に勤務する看護師431名に郵送法による無記名自記式質問紙調査を行った。項目分析、探索的因子分析を行い、併存妥当性は看護師の倫理的行動尺度改訂版を用いて相関係数を算出した。内的整合性はCronbachのα係数で評価した。182名の回答を分析対象とした(有効回答率42.2%)。分析の結果、「日常倫理に基づくケア」「高齢患者の意思に基づくチームケア」「認知機能が低下した高齢患者を理解する努力に基づく関わり」「原則に基づく身体拘束の低減」「効率を重視しない個別ケア」の5因子41項目から構成される尺度となった。因子負荷量は、ほとんどの項目で基準を満たしたが、一部で複数因子に跨って同等の因子負荷量を示す項目や基準に満たない項目が見られた。Cronbach α係数は0.7~0.9、看護師の倫理的行動尺度改訂版合計得点との相関係数は、r=0.4~0.8であった。作成した高齢者看護における倫理的行動尺度は、信頼性、併存妥当性はほぼ確保できたものの、構成概念妥当性は、表現の見直しなど改善の余地がある。この結果を踏まえて、2023年12月に急性期病院の看護師を対象とした全国調査を行い、倫理的行動尺度の信頼性と妥当性の検討を行っている。対象者4000名に対し、1123名からの回答を得ており、現在は、統計学的分析を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

予備調査結果をもとにした尺度項目の検討に時間を要し、その後の全国調査に向けた倫理審査の申請、準備に遅れが生じた。そのため、結果をふまえて作成する倫理教育ツールが完成できていない。

今後の研究の推進方策

2024年度は、高齢者看護における倫理的行動尺度を含めた自己倫理評価ツールが完成次第、急性期病院の看護師に向けた倫理教育プログラムを実施できるよう、専門看護師等の意見もふまえながら倫理教育ツールを作成していく。

次年度使用額が生じた理由

予備調査結果からの尺度項目検討に時間を要し、全国調査の準備や実施が遅れた。そのため、自己倫理評価ツールの内容をふまえた倫理教育プログラムのツール作成に到達できず、次年度使用額が生じた。次年度は、教育教材作成に向けて、動画撮影・編集のための業者委託費、機器や消耗品購入費、ヒアリングのための専門家会議費、昨年度行った研究結果を学会発表するための学会参加費、交通費で使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 高齢者看護における倫理的行動尺度の信頼性・妥当性の検討 第1段階 高齢者医療・看護に取り組む病院の看護師を対象にして2024

    • 著者名/発表者名
      杉山智子,大西麻未,八木範子,湯浅美千代
    • 学会等名
      日本老年看護学会第29回学術集会

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公開日: 2024-12-25  

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