研究課題/領域番号 |
22K11294
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
河端 将司 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (00908551)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 足関節捻挫 / 関節不安定性 / 超音波 / リハビリテーション / 靭帯損傷 |
研究実績の概要 |
足関節捻挫すなわち足関節靭帯損傷は、スポーツ外傷の中で最も発生頻度が高く、再発率は50%を超える。後遺症として「慢性足関節不安定症」に至ると、捻挫を繰り返す悪循環に陥り、スポーツ選手の競技生活を脅かし、ひいては変形性関節症のリスクを高める。近年では、超音波を用いて非侵襲的かつ簡便に靭帯損傷の早期診断や関節不安定性の推定が可能となった。しかし、不安定性の動態を正確に定量化するにはいまだ多くの課題が残っている。本研究の目的は、①足関節靭帯損傷患者の足関節不安定性を超音波診断装置でリアルタイムに計測できるシステムを開発し、②この計測システムを用いた関節不安性の重症度判定によって機能的予後や競技復帰の予測に役立てることである。 2022年度は、本研究のコアとなる関節間を自動計測するシステムを用いて、整形外科クリニックに受診した足関節靭帯損傷患者の関節不安定性の定量化を試みた。21名(健側と患側の42足)を対象に前方ストレステスト時の関節動態を記録した。自動計測システムと2名の手動計測で関節間距離を比較したところ、検者間再現性は級内相関係数ICC=0.53-0.71で中等度であった。また健患差1.41mmは過去の先行研究と比較しても妥当な結果であった。自動計測の計測時間は手動計測に比べて圧倒的に短縮された。人為的誤差を軽減し、かつ短時間で数値化できるメリットは、臨床的にも有益であることが示された。これらの成果は、学会で口述発表(第33回日本整形外科超音波学会、第9回日本スポーツ理学療法学会)および英文誌Scientific Report(Kawabata et al. 2023)に掲載することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度の研究計画通り、研究協力者の整形外科クリニックから足関節靭帯損傷患者の超音波動画を取得した。そして、超音波診断装置の動画解析システムを用いて、足関節靭帯損傷患者の関節不安定性の程度を計測し、その計測システムの再現性や絶対誤差、また健患側の妥当性を検証した。それらの成果は、学会で口述発表(第33回日本整形外科超音波学会、第9回日本スポーツ理学療法学会)および英文誌Scientific Report(Kawabata et al. 2023)に掲載することができた。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き症例数が蓄積されており、本研究は予定通り推進している。今後は「足関節捻挫受傷後の関節不安定性の重症度判定」、「急性期で生じた関節不安定性の改善に要する期間」、「重症度別の競技復帰までの期間」などを明らかにすることを目指している。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度に使用できた研究費は予定の約半額であった。予算計上していた機器購入が不要となり、その分の予算が使用できずに残ってしまった。次年度の論文投稿費に利用する予定である。
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