研究課題/領域番号 |
22K11346
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
齊藤 正和 順天堂大学, 保健医療学部, 准教授 (60640597)
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研究分担者 |
高橋 哲也 順天堂大学, 保健医療学部, 教授 (00461179)
森沢 知之 順天堂大学, 保健医療学部, 准教授 (80552512)
作山 晃裕 順天堂大学, 保健医療学部, 助教 (80910380)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 血液透析 / 悪液質 / 骨格筋 / 栄養 / 運動 / 身体活動 |
研究実績の概要 |
The International Society of Renal Nutrition and Metabolism(ISRNM)が提案したProtein-energy wasting(PEW)の定義に該当する症例を悪液質とした場合、多施設前向きコホート研究に登録された症例では悪液質に該当する症例は少ないことが明らかとなった。一方で、PEWスコア悪液質のリスクを保有する前悪液質症例が多いことから、本研究の目的である前悪液質を早期発見し、悪液質に移行することを回避するための方策が重要であることが明らかとなった。 また、本研究の中間結果から前悪液質状態には、筋力、筋肉量などに加えて、栄養状態が関与することが明らかとなり、多角的な骨格筋評価や栄養状態を含めた包括的な評価ならびにアプローチの重要性が示唆された。とくに、前悪液質を呈する血液透析患者の栄養状態の評価には、本研究いおいてもPEWスコアとも関連があるnutritional risk index for Japanese hemodialysis patients(NRI-JH)による重症度分類が有用性が明らかとなっている。 今後は、PEWスコアの縦断的な検討から、NRI-JHスコアに多角的な骨格筋評価を加えて、前悪液質を呈する血液透析患者の悪液質への進展リスクを評価する方法を検討する予定である。また、並行して血液透析患者の悪液質への進展予防を目的とした標準的な運動・身体活動管理プログラムの作成ならびに介入効果の検討を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画では2022年度末まで500名以上の症例登録を目標としていたが、2022年3月時点で600名以上の患者登録が得られている。また、これらの登録データを用いた学会発表が5件、投稿準備中の論文が2編となっている。
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今後の研究の推進方策 |
研究協力施設ならびに登録患者数の増加を目的に定期的に開催している本研究会主催のウェビナーを実施し、広報活動を継続していく。また、本研究に登録済みの症例については、年1回の縦断的データ登録をおこない、前悪液質から悪液質に進展する症例の特徴を明らかにする検討を進めていく。多角的な骨格筋評価ならびに栄養状態と悪液質進展に関与する因子の関連性を複数検討する必要があるため、本研究協力施設から研究委員会を立ち上げ、複数の研究課題を同時に進行させる計画を遂行している。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のためいくつかの国内または国外での学会がオンラインで参加可能であったことが理由として挙げられる。今年度は多くの学術集会が対面形式を選択していることから出張費用として使用する予定である。
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