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2022 年度 実施状況報告書

不顕性誤嚥に対するベッドサイドでの診断法と視覚バイオフィードバック訓練法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K11348
研究機関東海大学

研究代表者

小山 祐司  東海大学, 医学部, 准教授 (80266444)

研究分担者 笠原 隆  東海大学, 医学部, 准教授 (00366014)
豊倉 穣  東海大学, 医学部, 教授 (20217566)
水野 勝広  東海大学, 医学部, 教授 (50327649)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード不顕性誤嚥 / ベッドサイド診断 / 移動型X線動態撮影装置 / フレームレート / 誤嚥 / 喉頭侵入
研究実績の概要

背景:長期気管内挿管は不顕性誤嚥(SA)のリスクファクターとされる。そのため、集中治療室(ICU)における抜管後の嚥下障害は課題である。SAの診断確定には嚥下造影(VFSS)または嚥下内視鏡による評価が必要とされるが、全ICU患者には実施できない。本研究では被曝量軽減の観点から誤嚥評価に最適な記録フレームレートを決定することを目的とし、その決定がベッドサイドでの誤嚥のX線動態撮影評価導入に役立つと考えた。
方法:対象は急性期病院の成人患者50名で、据置型デジタル汎用透視X線装置で連続照射しながら30フレーム/秒(fps)で記録したVFSS上の液体嚥下をPAS(Penetration-Apiration Scale)で評価した。各VFSSのフレームレートを15fpsから3.75fpsまで段階的に低下させたビデオクリップを7本作成した。
評価項目は、1)PASスコアリングを可能にするキーフレームの完全消失に基づくPASスコアの変化、2)フレームレート低下に対するPASスコアの妥当性と信頼性、3)誤嚥検出の感度、特異度、陽性的中率、陰性的中率。
結果:30fpsでPASスコアが可能となる連続キーフレーム数は、喉頭侵入を伴うPAS4では最低2フレーム、誤嚥を伴うPAS6では8フレーム、SAに限定すると15フレームだった。15fpsから3.75fpsで、キーフレームが完全に消失したのはPAS 4の4人のみで、評価者全員がPAS 2と誤判定した。この4名を除く46名では30fpsでの有効性と信頼性はほぼ完全に一致した。SAを含む誤嚥は50例で、感度91.7-100%、特異度88.5-96.2%、陽性適中率88.5-96.0%、陰性適中率92.3-100%と検出された。
結論:3.75fps以上では誤嚥のPAS評価が可能であり、15fps以上では誤嚥に加えて喉頭侵入のPAS評価が可能であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年4月から常勤先の異動により新たな研究環境となったが、3年間の研究1年目で、全体の1/3の予定が完了している。

今後の研究の推進方策

研究実績の概要に記した成果を、Effect of reduced frame rate in videofluoroscopic swallowing study on the reading of aspiration in adult patients: a retrospective cohort studyの題名で論文投稿中である。
研究3年目に高度急性期医療現場に誤嚥判定目的にモバイルX線動態撮影装置を導入運用する先行研究として、一般病棟の患者や健常人で試験運用し、取得したモバイルX線動態撮影装置のデータを、今年度は解析して発表、論文投稿する。合わせて本大学の臨床研究審査委員会へ3年目の研究計画を申請し受理頂く。

次年度使用額が生じた理由

初年度の研究成果をまとめた投稿中の論文のアクセプトが年度内に間に合わなかった。掲載及びオープンアクセス費用は次年度へ持ち越しとなる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 移動型デジタルX線動態撮影システムを用いた不顕性誤嚥に対するベッドサイド診断法の開発 Development of Bedside Diagnosis for silent aspiration using Mobile - Dynamic Digital Radiography2022

    • 著者名/発表者名
      小山 祐司・豊倉 穣・水野 勝広・多田 英美・石原 寛久・砥綿 敬史
    • 学会等名
      第28回日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会

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公開日: 2023-12-25  

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