研究課題/領域番号 |
22K11349
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
中山 恭秀 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (90902718)
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研究分担者 |
安保 雅博 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (00266587)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 片麻痺 / 歩行 / ぶん回し / ハムストリングス / バイオフィードバック |
研究実績の概要 |
昨年はコロナの影響で対象患者のリクルートが難しく難渋した。入院での診療患者すべて入院して5日以内はコロナ対応がもとめられ、装置を用いたデータ計測ができなかった。この点を考慮し、コロナ禍でも容易に計測ができる装置として、マーカーレス、カメラレスの機器の導入について進めた。その結果、加速度計をベースとした三次元動作解析装置を年度末ぎりぎりに接地することができた。加速度型の三次元動作解析装置が望まれたのは、コロナの影響のみではなく、今回計測するぶん回し歩行の減少を確認するには、施設にある三次元動作解析装置(VICON)を用いることでは患者負担が大きいことにあった。いくつかの機器を吟味し、加速度データによるスーツ型三次元動作解析装置、EskinMEVA(Zenoma社)を導入することに成功、現在計測法の修練を実施している。加速度計であるため、カメラでの撮影が不要であり、どの場所でも計測ができる利点がある。問題はスーツの装着にかかる時間であるが、現在装着に関する技術を習得しているところで、順調に装着できるようになってきている。装着は早ければ5分程度で可能で、マーカーの装着時間を大幅に削減することが可能である。この装置はすでに英文にて信頼性の検証が報告されている。ぶん回し歩行の変化をとらえやすいものと期待している。 被験者は現在1名の患者で計測が済んだところである。症例は左片麻痺患者で、TMSに対する磁気刺激治療と作業療法、理学療法を実施しており、2週間の入院期間で5度の計測を実施した。しかし2度の計測が経験不足からくる計測エラーとなり、3度の計測のみが採用となっている。現在この計測結果でハムストリングスの訓練によるぶん回し減少作用が得られたか解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナの影響で患者のリクルートが難しく、研究方針を一部変更する必要性が出てきている。多くの症例を蓄積するのではなく、1症例でも効果を確認したら論文として報告する方向でいる。できれば今年度二桁症例での投稿を念頭に入れて進める。なお、この間に磁気刺激治療と理学療法に関する総説論文を英文雑誌(Physical Therapy Research)に投稿、先日acceptの知らせを受けている。磁気刺激治療と併用する理学療法についての十分な知見はこれまで示されていないため、総説を通して本研究の基軸を示し、今後の研究を展開できればと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、即時効果の判定を中心にデータを集め、ABAデザインに収まる症例をリクルート、年度末を目標にシングルケースデザインでの英文投稿を行う予定である。 まず1症例でのレポートの報告、その後並行して症例蓄積も勧め、二桁の症例が集まれば、コントロールスタディとして第2報、ABAデザインの多層ベースラインを示し、介入前後でのぶん回し歩行の改善が示せるようにしたい。ただ、現段階ですでにコロナによる研究の遅れが出ているため、1年間の延長も視野に入れている。合わせて、患者へのわかりやすい情報提供の方法も検討する。EskinMEVAもVICONも計測のみの機器で、患者への説明には向かない。計測結果の解析、患者への説明に用いるソフトという二つの視点で、システムの導入を検討している。業者の説明を受けながら年間を通して吟味したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度導入ができなかった動作解析用のスーツ2つのサイズ分の購入、文献と書籍購入、PCや患者が使用するタブレット端末などの購入を予定している。また、論文投稿費用として英文2つの英文校正、掲載料を計画する。また、計測機器、解析ソフトの調査として開発業者への訪問調査も計画する。学会は6か所へ参加、うち2学会で発表を予定する。国際学会への参加と発表はコロナ体制により診療上の制限があるため参加を見送らざるを得ない。そのためその分の経費は次年度以降に持ち越す予定である。演題登録は今年度中にできればと考えている。
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