研究課題/領域番号 |
22K11379
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
長谷川 雄紀 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (70816496)
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研究分担者 |
新見 昌央 日本大学, 医学部, 教授 (30760970)
木下 翔司 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (60748383)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | せん妄 / 非侵襲的脳刺激療法 / 脳波 / 表面筋電図 |
研究実績の概要 |
せん妄は高齢者の入院患者で頻度が高く,リハビリテーション治療においては治療の拒否,注意の持続や学習の困難につながり機能改善を阻害する.せん妄発症に関わる生物学的機序は不明な点が多いが,一つとして遠隔大脳皮質領域間のネットワークの障害に関連した急性脳障害が考えられている.この機序について評価はまだ十分に確立しておらず,それを考慮した治療法もない.本研究はせん妄における中枢神経ネットワークという病態に着目し,非侵襲的脳刺激治療という新たな治療法の確立と評価法の確立による機序解明を目的とする. 従来の多職種チームでの治療的アクティビティ,早期離床に加え,視覚・聴覚の調整や,摂食や睡眠など支援などに加えて,非侵襲的脳刺激療法の併用による注意機能や意識の改善により,リハビリテーション治療効率の向上を目指す. 中枢神経ネットワークの評価と治療については,同様の機序が関与する意識障害や認知機能低下など他の症候や疾患に対する学術的な波及効果が期待される.また,せん妄の改善による入院日数の短縮,退院後の認知機能低下予防,運動機能予後の改善などの社会的な波及効果が期待される. せん妄患者の中枢神経ネットワークを脳波検査で,意識障害や認知機能評価を神経心理学検査などで評価し,コントロール群をおいてrTMS治療前後の比較を行い,rTMS治療の有効性を検討する.せん妄を有する急性期のリハビリテーション治療を実施中の入院中の患者を中心に脳波測定を実施しており,安静時と課題実施時の状態の解析を進めている. また、筋電図測定を同時に行い、TMS刺激の際の反応も確認している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
想定していた脳波機器と異なるものを導入し、解析方法の変更を行ったなどがあり,予定している症例数に比べて脳波検査の実施がまだ十分に行えていない.
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今後の研究の推進方策 |
測定機器と解析方法の変更を行い、せん妄を有する群と対照群に関してそれぞれの脳波測定を進めている.急性期病棟を対象にして対象症例数は増加しており、引き続き継続していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究結果の発表などが予定よりも遅れており、必要な経費が想定よりも少なくなったため。
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