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2023 年度 実施状況報告書

大規模調査による慢性足関節不安定症のタイプ分類と再発リスク因子の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K11381
研究機関新潟医療福祉大学

研究代表者

菊元 孝則  新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (10780653)

研究分担者 久保 雅義  新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (50460332)
高林 知也  新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (00780339)
大森 豪  新潟医療福祉大学, 健康科学部, 教授 (70283009)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード慢性足関節不安定症 / 足関節捻挫 / 発症率 / 病態分類 / バスケットボール
研究実績の概要

本申請課題は,慢性足関節不安定症(CAI)の好発競技であるバスケットボールに着目し,新潟県バスケットボール協会に所属している選手を対象に,1:新潟県内選手におけるCAI発症率の検証,2:病態のタイプ分類,3:各タイプにおける足関節捻挫の再発率の前向き調査を目的とするものである.
初年度の2022年度には疫学調査を実施し,U-12所属選手は1,400名,U-15所属選手は1,347名, U-18所属選手は506名の回答を得た.その結果,404名がInternational Ankle Consortium (IAC)によって統一した選定基準により,CAIを発症していることが明らかとなった(2023年度・第10回日本予防理学療法学会学術大会・発表済).
これまでは疫学的な観点のみの検証であったため,2023年度は病態のタイプ分類を行うため,CAIのより詳細な足関節の機能評価を行った.CAIの姿勢制御の戦略は,股関節と足関節の戦略が協働して行われており,股関節からコントロールされる姿勢制御に足関節の運動行動障害がマスクされていることが問題点として考えられる.そこで,膝関節の伸展位固定における片脚立位の姿勢制御戦略を観察し,足関節に特化したCAIの病態を明らかにすることを目的として実験を行った.結果として,CAI群が健常群に比して足圧中心(COP)の移動距離が有意に高値を示したが,特筆すべきはCAI群における膝装具着用時のCOPの加速度である.これは,股関節からコントロールされる姿勢制御にマスクされていた足関節に特化した運動行動障害であり,運動連鎖を遮断したために露呈した新たなCAIの病態である(2023年度・第10回日本スポーツ理学療法学会学術大会・発表済).
以上より,足関節に特化したCAIの病態が明らかとなった.今後は足関節捻挫の再発率に着目して検証していく.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

既に初年度の疫学調査により,新潟県内の慢性足関節不安定症(CAI)を発症している選手のリストアップを終了し,加えて足関節に特化した評価方法に関して国際誌にアクセプトされている.加えて,継続的に疫学調査と病態把握のためのメディカルチェックを実施しており,今後は対象者も増えることが予想されているため,おおむね順調に進んでいると考えられる.

今後の研究の推進方策

疫学調査を継続的に実施し,対象者の拡充を図り,慢性足関節不安定症(CAI)に選定された足関節の病態分類を進めて行く.加えて,病理機械的障害はTelos Stress Device(Aimedic MMT社)と超音波画像診断装置(Canon Medicals社)を使用して,足関節の前方引き出しストレスを行った際の腓骨外果と距骨間距離の離開率として算出しており,このデータを公表するための執筆活動を行う.
また,今年度の研究目的として,タイプにおける足関節捻挫の再発率の前向き調査であるため,既に抽出された404名のCAI発症者を対象とした,足関節捻挫の再発率の調査を実施していく.

次年度使用額が生じた理由

人件費がかからなかったため次年度使用額(B-A)」欄が「0」より大きくなった.今年度は物品費に加えて人件費の支出が必要となるため,使用していく

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Single-legged landing behavior of high school basketball players with chronic ankle instability2024

    • 著者名/発表者名
      Takanori Kikumoto, Marina Kobayashi, Go Omori, Masayoshi Kubo
    • 雑誌名

      Journal of Bodywork and Movement Therapies

      巻: 39 ページ: 454-462

    • DOI

      10.1016/j.jbmt.2024.03.054

    • 査読あり
  • [学会発表] 運動連鎖の遮断による 慢性足関節不安定症における運動行動障害の検証2023

    • 著者名/発表者名
      菊元孝則,高林知也,久保雅義
    • 学会等名
      第10回 日本スポーツ理学療法学会
  • [学会発表] バスケットボール競技における1・2次予防の取り組みから考察する0次予防2023

    • 著者名/発表者名
      菊元孝則,高林知也,久保雅義
    • 学会等名
      第10回 日本予防理学療法学会学術大会
  • [学会発表] 慢性足関節不安定症を有する選手における足関節外側側副靱帯再損傷因子の検証2023

    • 著者名/発表者名
      菊元孝則,久保雅義,高林知也,小林真里奈,大森 豪
    • 学会等名
      第34回 日本臨床スポーツ医学会学術集会
  • [学会発表] Biomechanical Strategies for Injury Prevention2023

    • 著者名/発表者名
      Takanori Kikumoto, Tomoya Takabayashi, Masayoshi Kubo
    • 学会等名
      International Convention on Sports Rehabilitation PERSPECTIVES
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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