研究実績の概要 |
遺伝的素因によって過食を呈するOLETFラットを4週齢から普通食(7.9% moisture, 23.1% crude protein, 5.1% crude fat, 5.8% crude ash, 2.8% crude fiber, and 55.3% nitrogen free extract)にて飼育した場合、6週齢以降、非過食のLETOラットと比較して体重が有意に高値を示した。また、12週齢時点のOLETFラットにおいて、白色脂肪組織、褐色脂肪組織、肝臓における過剰な脂肪の蓄積、並びに耐糖能異常を確認した。OLETFラットの白色脂肪組織と肝臓において、12週齢時点では慢性炎症を示唆する組織学的所見は観察されなかったが、20週齢時点では顕著になった。このことより、若齢期(6週齢頃)から肥満を呈した場合、組織学的な脂肪蓄積、及び肥満関連健康障害は成熟期初期(12週齢頃)から生じるものの、この時点では組織学的な慢性炎症は確認されず、顕著になるのはそこからやや遅れることが示唆された。 また、上述したOLETFラットに対して4週齢から12週齢まで運動を行うことで肥満を抑制し、12週齢以降は運動を中断することで肥満を誘導した。その結果、運動期間中(4週齢から12週齢)は食事摂取量が有意に減少し、一方、運動期間終了後(12週齢以降)は食事摂取量がやや増加したものの、20週齢の時点において顕著な体重増加には至らず、組織学的な脂肪の過剰蓄積も確認されなかった。このことより、若齢期における運動習慣は摂食抑制が持ち越され、以降のライフステージにおける肥満予防に貢献する可能性が示された。
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