研究課題/領域番号 |
22K11397
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
西出 真也 北海道医療大学, リハビリテーション科学部, 講師 (40451398)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 概日リズム / リハビリテーション / 筋機能 |
研究実績の概要 |
本研究では運動療法を一日のうちのどの時間帯に行うのが効果的かを明らかにするために,マウスを明期または暗期のみに運動させ,骨格筋のクエン酸合成酵素活性を定量することにより運動効果を評価した.運動開始時に10週齢となるC57BL/6Jマウスを3群に分け、それぞれ24時間運動群、明期運動群、暗期運動群とした。24時間群は4週間回転輪を入れた環境下にて、明期運動群および暗期運動群は4週間毎日それぞれ明期、暗期に10時間のみ回転輪を入れ運動させた。各群とも回転輪を入れている時間帯の行動量を回転輪式自発運動測定装置(MELQUEST)にて記録した。4週間後に、下肢の筋を採取し、クエン酸合成酵素(Citrate Synthase以下CS)活性をCitrate Synthase Activity Colorimetric Assay Kit(BioVision)にて測定した。その結果、CS活性は明期群において有意な高値を示し、行動量(回転輪の回転数)は暗期群が最も高値を示した。CS活性を行動量で割り行動量当たりのCS活性を算出すると明期運動群が最も高値を示した。行動量とCS活性の相関分析の結果、明期群は他の2群に比べて行動量が少ないにもかかわらずCS活性が高値を示すことがわかった。次に筋委縮モデル動物を作成し概日リズム同調による筋機能回復効果を検討した.雄性ラット(Wistar系)の坐骨神経を切除し大腿部の筋を委縮させ、運動をさまざまな時間帯に行わせCS活性への影響について検討した.先に行った実験で運動効果の高かった明期の6時間あるいは後半6時間に回転輪運動を行わせた結果,運動を行わせなかった対照群とCS活性に差はなく,筋萎縮動物への運動療法の効果はみられなかった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究における主たる筋機能評価方法であるCS活性測定系を既に立ち上げた。測定の再現性も良く、信頼できるデータが取得できている。また動物の行動測定系も立ち上がっており、マウスの行動にみられる概日リズムの解析が可能になった。筋萎縮動物に対する運動療法効果はみられなかったものの,坐骨神経切除による筋萎縮動物作成法を確立することができた.研究は概ね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は食事のタイミングや内容が概日リズムを介して筋機能に及ぼす影響を調べる.マウスの摂食を一日のうち一定の時間帯のみに制限すると,摂食した時間帯に依存して行動リズムや体温リズムが変化することが示されている(Nishide et al., 2021など).この変化は摂食により体温が上昇し行動が変化してものではなく,規則的な食事スケジュールに概日リズムが同調した結果である.このことはマウスが食事前に食事を予知する行動をとることからもわかる.体温は熱産生と熱損失により決まり,熱産生は食事内容の影響を受ける.今年度は高脂肪食や高蛋白質食など食事内容を変えて飼育したマウスに対し様々な時間帯に運動を行わせ,食事内容が概日リズム調節効果の大きさを変化させるかどうかを検討し,効果的な筋機能向上方法を探る.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究は概ね順調に進展しているが、2024年3月に実施予定だった実験の一部を2024年4月に実施したため予算の一部を2024年度に繰り越した。
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