研究課題/領域番号 |
22K11422
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
藤田 貴昭 福島県立医科大学, 保健科学部, 准教授 (50735636)
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研究分担者 |
五百川 和明 福島県立医科大学, 保健科学部, 教授 (70513597)
曽根 稔雅 福島県立医科大学, 保健科学部, 教授 (60515500)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | リハビリテーション |
研究実績の概要 |
【研究の目的】 回復期リハビリテーション病棟の主要な入院患者である脳卒中、整形外科的疾患、廃用症候群患者について、日常生活活動の自立と関連する心身機能とその水準、および相乗効果のある心身機能の組合せを明らかにし、新たなリハビリテーション指針を開発すること。 【今年度の進捗と成果】 入浴と歩行は自立の難しい日常生活活動の一つである。今年度は主に脳卒中患者と整形外科的疾患患者における入浴や歩行の自立と関連する要因を調査した。研究成果①:脳卒中患者と大腿骨近位部骨折患者における入浴自立とバランス機能の関連性、および自立して入浴するために必要なバランス機能の水準を調べた。その結果、入浴の自立とバランス機能は非常に強く関連し、自立に必要な水準はBerg balance scaleで脳卒中患者では48点(感度、84.7%、特異度、79.1%)、大腿骨近位部骨折患者では43点(感度、81.3%、特異度、77.8%)が目安になることが明らかになった。研究成果②:対象者に負担をかけずに測定できる指標に着目し、生体電気インピーダンス分析法を用いて測定されるPhase angleと高齢女性の脊椎圧迫骨折患者の歩行自立の関連性を分析した結果、両者が関連することが明らかとなった。さらに臨床的に歩行の自立を予測できるPhage angleのカットオフ値(3.55°、感度83.9%、特異度71.4%)を算出した。上記の研究成果は、リハビリテーション技師が患者の評価結果を解釈し、介入計画を立案する際に有用な情報となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り、データ解析を進めることができており、すでに研究成果の一部を論文発表できているため。
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今後の研究の推進方策 |
脳卒中患者と整形外科的疾患患者のデータベースの解析に加え、廃用症候群患者のデータベースの作成を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
人件費・謝金を最小限に抑えるために、可能な限りデータベース作成等を研究代表者自身が行うことで、若干の次年度使用額が生じた。次年度使用額は主に翌年度以降の研究成果の公表に関する費用に充てる予定である。
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