研究課題/領域番号 |
22K11423
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
川原 勲 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (80524975)
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研究分担者 |
國安 弘基 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00253055)
森 拓也 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (70897412)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 糖尿病 / がん性サルコペニア / 分枝鎖アミノ酸 / シスチンとテアニン |
研究実績の概要 |
健常人では骨格筋に有効性を示す分枝鎖アミノ酸が糖尿病においては有効性が低いことが報告されている。本年度は、われわれが樹立したマウス悪液質モデルを用いて、分枝鎖アミノ酸の効果を検討した。がんサルコペニアは、がん患者の予後と密接に関連する病態である。本研究では、骨格筋を促進する分岐鎖アミノ酸(BCAA)と抗酸化作用を有するシスチン・テアニン(CT)のがんサルコペニアに対する効果を比較した。CTはサルコペニアと筋肉の成熟を改善した。一方、BCAAはCTに比べ、これらの効果が劣っていた。マウスの悪液質モデルで5-フルオロウラシル(5FU)を投与したところ、CT群では酸化ストレスが減少し、5-FUによるサルコペニアの増悪が抑制されたが、BC群では抑制されずサルコペニアは増悪した。BCAAは非腫瘍下ではATP産生を促進したのに対し、担癌マウスではそのような効果は消失した。このように、がん悪液質では、糖尿病と同様にBCAAの骨格筋促進作用が低下することが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
がん性サルコペニアにおいて、糖尿病で報告されているのと同様に、分枝鎖アミノ酸の骨格筋促進作用が抑制されていることを見出した。
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今後の研究の推進方策 |
上記のように、がん性サルコペニアにおいて、糖尿病で報告されているのと同様に、分枝鎖アミノ酸の骨格筋促進作用が抑制されていた。次年度は、その機序を解明する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
分枝鎖アミノ酸の効果が抑制されている機序を解明するための動物実験等の費用を次年度に移行したため。
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