研究課題/領域番号 |
22K11430
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
原 元彦 帝京大学, 医学部, 教授 (30386007)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 脊髄前角細胞興奮性 / F波 |
研究実績の概要 |
本研究は,運動想起(MI)と大脳皮質運動野に対する高頻度反復性経頭蓋磁気刺激(HFrTMS)が脊髄興奮性に及ぼす影響を尺骨神経刺激のF波を用いて検討し,その結果を脳卒中後上肢機能障害のリハビリテーションに応用することを目標とする. 研究①:健常成人(10名)を対象に,右尺骨神経刺激F波を右第一背側骨間筋(FDI)で記録する.安静時(R),右FDIのMIの状態でF波を記録し,その後,左大脳半球(CP3)に対する10Hz,1000発のHFrTMSを行い,HF-rTMS直後に再びRとMIの右尺骨神経F波を計測し脊髄興奮性の変化を検討する. 研究②:脳卒中亜急性期を対象に,研究①と同様の方法で非麻痺側運動野に対するHF-rTMSの前後で麻痺側尺骨神経刺激F波をRと麻痺側MIの状態で計測し,HF-rTMSの前後で脊髄興奮性の変化を検討する. 補助事業期間中の2022年度から2023年度にかけては,本学臨床研究センターの研究支援を受けて,現在進行中の研究倫理申請など研究対象者に対する倫理的配慮と研究に関連する研究環境を確立したうえで,研究開始が可能になり次第,研究①に着手する. 2022年度中に学内倫理委員会で研究開始の承認を得ることができた.2023年度以降は,研究①に着手し,手順などを確認し,研究②が開始可能な体制が整い次第,研究②に着手する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)2022年11月に倫理委員会の研究開始承認を得ることができ,健常者の研究(研究①)を開始できる体制ができた. 2)臨床部門の業務として,COVID-19対策と2023年度から日本専門医機構の基幹施設になる準備が年度後半に集中したが,2023年5月以降は本研究への予定通りのエフォートを確保できる目途が立った. 3)2023年度以降は健常者の研究に着手できるので5年計画の予定としては進捗に大きな問題はないレベルである.
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今後の研究の推進方策 |
1)2023年度から,健常者を対象とする研究①に着手する. 2)急性期脳卒中患者の研究(研究②)について,特定臨床研究の申請に2023年度中に着手し,5年間の計画の中で円滑に研究を推進できるように準備する.
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度は学内手続きなどの関連で,研究遂行については準備状態であった.機械操作に必要な電極の購入,学会参加費の請求により今年度使用額は次年度に繰り越した.2023年度については正常対象者による研究①の開始を予定しており,そのための経費と学会出張などの経費が予定通り発生する見込みである.
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