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2023 年度 実施状況報告書

腰部の固有感覚機能に着目した再発性腰痛者のための運動療法の構築

研究課題

研究課題/領域番号 22K11439
研究機関川崎医療福祉大学

研究代表者

末廣 忠延  川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (90633850)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード腰痛 / 固有感覚 / 運動療法 / 筋活動
研究実績の概要

本研究の目的は,腰痛者の固有感覚と筋活動パターンとの関係や固有感覚と運動パターンとの関係を明らかにし,運動制御能力が低下した腰痛者に対する運動療法を構築し効果を検証することである。
2023年度は腰部の無意識下の固有感覚機能を評価するための方法を確立するために腰部振動刺激を用いた腰部の固有感覚機能についての信頼性を明らかにした。方法は健常男性20名を対象に閉眼立位の状態で多裂筋、下腿三頭筋にそれぞれ振動刺激を与えた際の閉眼立位時の重心動揺の総軌跡長について日内・日間の信頼性を検討した。結果は多裂筋振動時の日内の級内相関係数0.51~0.64で、日間の相関係数は0.39であった。下腿三頭筋振動時の日内の級内相関係数0.24~0.60で、日間の相関係数は0.62であった。上記の結果はIFOMPT 2024 conferenceにて発表予定となっている。
また上記の信頼性の研究終了後に固有感覚機能と動作時の体幹筋の活動パターンとの関係、腰部の固有感覚機能と下肢運動時の腰椎骨盤の運動パターンとの関係を同時並行して研究を進め、腰痛者と健常者のデータ収集を実施した。現在、データ収集が終了し、腰部の固有感覚機能と下肢運動時の腰椎骨盤の運動パターンとの関係については、解析が終了し、腰痛者では健常者に比べ立位時の腰部の固有感覚の使用率が低下していることが明らかとなった。また腰痛者では健常者に比べ持ち上げ動作時の体幹筋の同時収縮の増加や深部筋の活動が遅延することが明らかとなった。さらに腰部の固有感覚と筋活動パターンに有意な関連があることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2022年度に振動刺激装置の不具合により修理が必要となり遅れていたが、腰部の固有感覚機能と動作時の体幹筋の活動パターンとの関係、腰部の固有感覚機能と下肢運動時の腰椎骨盤の運動パターンとの関係を同時並行して研究を進めていくことで遅れを取り戻すことができている。

今後の研究の推進方策

振動刺激を用いた腰部の固有感覚機能についての信頼性に関する研究成果をIFOMPT 2024 conferenceにて成果発表を行う。また腰部の固有感覚機能と動作時の体幹筋の活動パターンとの関係についての成果を第12回日本運動器理学療法学術集会にて発表する。また論文執筆を行い、論文投稿にて研究成果を公表していく。
腰部の固有感覚機能と下肢運動時の腰椎骨盤の運動パターンとの関係についてのデータ解析を進めていき成果発表を行う。
腰痛患者の固有感覚に対する介入を行い、運動制御に与える効果の検証を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

令和4年度に振動刺激装置の不具合により修理が必要となり、データ収集に遅れが生じていた。そのため学会参加に関する費用、旅費、論文投稿を行うために英文校正費用や論文投稿費用が執行されていない。
次年度以降は、学会発表に関する費用、英文校正費、論文投稿費用、被験者への謝金、視覚的フィードバックに使用するモニターの購入費用などについて執行する。

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公開日: 2024-12-25  

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