研究課題/領域番号 |
22K11440
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研究機関 | 愛知医療学院短期大学 |
研究代表者 |
木村 菜穂子 愛知医療学院短期大学, 理学療法学専攻, 講師 (00544751)
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研究分担者 |
縣 信秀 常葉大学, 保健医療学部, 准教授 (00549313)
河上 敬介 大分大学, 福祉健康科学部, 教授 (60195047)
清島 大資 東海大学, 医学部, 講師 (80756370)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 力学刺激 / 筋膜 / 超音波画像 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,まず,①ヒト全身各部位における皮膚~筋の層構造の特徴を解明し分類化することである。また,精度の高い②皮膚への力学刺激・観察装置を作製し,①から得られた情報を基に③皮膚~筋各層の境界と,エコーで描出される画像との紐づけを行なうことである.そして,④ 分類化した皮膚~筋の層構造の代表部位の,皮膚牽引による各層構造の形態応答の違いや,病態の有無による形態応答の違いを解明することである. 2023年度は,2022年度に行った①ヒト全身各部位における皮膚~筋の層構造の特徴を解明し分類化,②皮膚への力学刺激・観察装置の作成と精度検証をもとに,③皮膚~筋各層の境界と,エコーで描出される画像との紐づけを行ない,④ 分類化した皮膚~筋の層構造の代表部位の,皮膚牽引による各層構造の形態応答の違いについて検証をおこなった. 皮膚への力学刺激・観察装置を用いて,前脛骨筋近位部,遠位部,大殿筋部,外側広筋部の4部位の皮膚を牽引した.皮膚牽引前と牽引後の超音波画像を取得し,皮膚から筋の各層における特定の部位の移動距離を測定した.皮膚牽引前と後の超音波画像を比較したところ,すべての部位において筋層の移動距離は皮下組織と比べて小さかった.またヒトの皮膚から筋までの組織構造を確認したところ,各層の構造が観察されたが,身体部位によって大きな違いはなかった.今後、皮膚への牽引刺激を与えた時の各層の形態応答について,詳細な組織学的な評価を加えて検証していく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画で2023年度に予定していた③皮膚~筋各層の境界と,エコーで描出される画像との紐づけ,④ 分類化した皮膚~筋の層構造の代表部位の,皮膚牽引による各層構造の形態応答の違いについて検証をおこなうことができた.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,③皮膚~筋各層の境界と,エコーで描出される画像との紐づけについて,組織染色などを用いてさらなる検証を進める予定である.また,④ 分類化した皮膚~筋の層構造の代表部位の,皮膚牽引による各層構造の形態応答の違いや,病態の有無による形態応答の違いの解明については,計測部位を増やし部位による違いの詳細を明らかにするとともに,病態に対する形態応答の違いについて研究を進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
皮膚への力学刺激・観察装置の作製において当初の予定よりも制作費用を抑えることができたため,次年度使用額が発生した.この次年度使用額については,2024年度に予定している研究を発展させるために,ご遺体を用いた皮膚~筋の層構造の分類化や,皮膚~筋各層の境界と,エコーで描出される画像との紐づけの研究に用いる.
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