研究課題/領域番号 |
22K11443
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
関口 雄介 東北大学, 大学病院, 理学療法士 (60535095)
|
研究分担者 |
本田 啓太 熊本保健科学大学, 保健科学部, 講師 (30823314)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 脳卒中 / 歩行 / 杖 / 動作解析 |
研究実績の概要 |
過去のデータを用いて、後ろ向きに3次元動作解析装置を使用し脳卒中片麻痺患者の杖を用いない歩行中における水平面の全身角運動量と臨床評価で測定された長距離歩行能力及びバランス能力との関連を調べた。脳卒中片麻痺患者の水平面の全身角運動量は麻痺側立脚終期にて増大することが明らかとなり、更に麻痺側立脚期の水平面上での全身角運動量と6分間歩行距離とBerg Balance Scaleとには有意な相関関係を認めた。これらの成果は脳卒中片麻痺患者の歩行中の水平面上における全身角運動量を制御することの重要性を明らかにした。 3次元動作解析装置及び杖荷重センサを用いて10名の脳卒中片麻痺患者の杖歩行中における生体力学的特性の測定を行った。特に着目したのは、歩行中における杖反力の特性と身体に生じる床反力、及び全身角運動量との関連である。我々の研究成果から麻痺側立脚期における水平面上での全身角運動量がどのように制御されるのかに着目する。今後、これらの関連を調べることで、歩行中における杖の運動力学的特性が歩行中の全身角運動量に及ぼすメカニズムを明らかにする。同時に脳卒中片麻痺患者において、杖の形態学的特性や歩行中の運動学的特性が杖の荷重特性にどのような影響を与え、その荷重特性が歩行の生体力学的特性にどのような影響を与えているのかを明らかにしていく。 最終的には、携帯型杖荷重センサ及び身体のウエアラブルセンサを用いて、より実用的な歩行パフォーマンスへの杖の影響を運動学的観点から調査し、実用的な杖の意義を提案し、新しい形状の杖の開発や杖に埋め込まれたウエアラブルセンサの開発に示唆を与えたい。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
3次元動作解析装置及び杖荷重センサを用いて10名の脳卒中片麻痺患者の杖歩行中における生体力学的特性の測定は終了したが、今年度終了予定であった解析がまだ実施されていない。
|
今後の研究の推進方策 |
今後、脳卒中片麻痺患者における杖の形態学的特性や運動学的特性を変化させ歩行の生体力学的特性への影響を明らかにする。更に携帯型杖荷重センサ及び身体のウエアラブルセンサを用いて、より実用的な歩行パフォーマンス、例えば6分間歩行などの長距離歩行時の杖の荷重特性の身体の運動学的特性への影響について明らかにする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
購入を予定していた杖荷重センサが安価であったこと、コロナ感染症の影響で海外の学会発表に行けず、旅費を使用しなかったことが次年度使用額が生じた理由です。使用計画としては、主に論文の掲載費用、倫理委員会の審査料、研究測定時に発生する謝金に使用する予定です。
|