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2023 年度 実施状況報告書

脳卒中歩行ロボットリハビリテーションの回復機序の解明―脳機能結合からの評価―

研究課題

研究課題/領域番号 22K11446
研究機関広島大学

研究代表者

中川 慧  広島大学, 医系科学研究科(保), 助教 (10711070)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード歩行ロボット / 安静時脳機能活動 / 脳血管障害 / 脳磁図
研究実績の概要

近年,歩行ロボットを用いたリハビリテーションが注目されており,脳卒中患者の歩行を再学習できるツールとして期待されている.足関節動的制御に特化した歩行ロボットは,足部ロッカー機構や遊脚振子の形成に即した歩行動作の獲得に効果的であり,これまでの運動学的解析により,歩行機能の改善が報告されている.しかし,歩行障がいの起因となる大脳皮質機能への改善効果は検討されていない.また,感覚・運動に関連した大脳皮質神経活動の同調を示す脳機能結合が上肢リハビリテーション介入によって強化されるとの報告はあるが,歩行に関連した脳機能結合に関しては未解明な部分が多い.
そこで本研究では,脳卒中患者を対象に, 下肢感覚運動野を中心とした脳機能結合と歩行障がいの関連性を見出し,歩行ロボットリハビリテーション介入により歩行機能が改善されることで,感覚・運動に関連した脳機能結合が強化されるかどうか検討し,歩行障がいの回復機序を明らかにすることを目的とする.
2023年度は,数名の対象者に対して,歩行ロボットリハビリテーション介入前後での歩行機能の変化,安静時脳機能結合の変化を記録したところ,歩行ロボットリハビリテーションによる歩行機能の改善が認められた.内容の一部(代表例の介入前後での歩行機能の変化)は,日本義肢装具学会誌の総説にて報告した.
2024年度は,さらなる対象者への介入評価,安静時脳機能結合の解析を進め,歩行機能回復と脳機能結合の関連性を検討する.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2023年度は臨床現場と連携し,介入効果の検証を開始したが、症例数は当初の予定までに達していない.2024年度は,加速的に計測・解析を進める予定である.

今後の研究の推進方策

歩行補助ロボットを用いた介入前後での歩行機能ならびに脳機能結合を評価することで,歩行障がいの回復機序を明らかにすることを目指す.脳磁図記録・解析に関しては,新たに刺激呈示・解析用にPCを購入し,加速的に評価・解析を進める予定である.

次年度使用額が生じた理由

当初の予定より,物品費およびその他の項目における使用額が少なかった.2024年度は,歩行や脳磁図計測に関わる消耗品に加えて,脳磁図計測における刺激呈示・解析用にワークステーションを購入し,加速的に計測・解析を進めていきたい.
旅費およびその他の項目においては,脳磁図計測費用に加えて,国際学会(The International Society of Electrophysiology & Kinesiology)や国内学会(日本リハビリテーション医学会学術集会,日本神経理学療法学会学術大会,日本再生医療とリハビリテーション学会学術大会)への旅費・参加費および論文投稿費用としての計上を予定している.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 足関節歩行補助ロボットを用いた脳卒中患者の歩容改善アプローチ2023

    • 著者名/発表者名
      中川 慧、弓削 類
    • 雑誌名

      日本義肢装具学会誌

      巻: 39 ページ: 188-194

  • [学会発表] 歩行補助装置RE-Gaitによる足関節制御のタイミングが歩行に及ぼす影響 -膝関節過伸展への適応に向けて-2023

    • 著者名/発表者名
      中川慧、池田朱里、東啓太、田中英一郎
    • 学会等名
      第21回日本神経理学療法学術大会
  • [学会発表] 歩行補助装置「RE-Gait」の立脚期中の底屈アシストによる歩容への影響2023

    • 著者名/発表者名
      守屋友貴、前田希望、岸田駿平、花木彩奏、池田朱里、黒瀬智之、 田中英一郎、中川 慧、弓削 類
    • 学会等名
      第5回日本再生医療とリハビリテーション学会学術大会

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公開日: 2024-12-25  

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