研究課題/領域番号 |
22K11449
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
衛藤 誠二 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (70295244)
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研究分担者 |
高橋 恭平 熊本学園大学, 社会福祉学部, 講師 (20585492)
下堂薗 恵 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (30325782)
塗木 淳夫 鹿児島大学, 総合科学域総合教育学系, 准教授 (50336319)
河村 健太郎 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (60806488)
丸山 敦夫 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (80117548)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 上肢麻痺 / 伸長反射 / 経頭蓋磁気刺激 |
研究実績の概要 |
上肢訓練ロボットを使用して回内筋の伸張反射を測定できるよう、トリガー信号を利用して複数の機器を接続して設定を行い、機器が安定して作動するようになった。この伸張反射に同期して運動野を経頭蓋磁気刺激を用いて刺激したが、伸張反射の変化を捉ええることができなかった。トリガー信号を出してから伸張反射が発生するまでにわずかな遅延時間があるため、運動野からの刺激のタイミングをいくらか遅らせる必要があることがわかった。トリガー信号からの遅延時間を7個程度設定し、ランダムに刺激できるシステムと実験プロトコールを作成した。健常者において、リハビリテーション機器による伸張反射誘発を行い、30ms~500msの時間差で運動野に経頭蓋磁気刺激を行い、上肢からの運動誘発電位が増大するかどうかを確かめた。適切なタイミングを探すため、複数の実験プロトコールを作成して実行した。伸張反射後の一定の時間帯に脊髄レベルの興奮性が増大することを確認できた。また、伸張刺激、電気刺激による感覚入力が体性感覚野に届くことも、体性感覚誘発電位を用いて確かめることができた。今後、健常者の被験者を増やし、この知見が確かなものであるのか、また個人差があるのかどうかを確かめていく。その後、運動野刺激により、伸張反射の増大があるかを、上肢麻痺患者で確認する予定である。この技術を、上肢麻痺を有する患者に用いることで、麻痺の予後予測の精度向上や治療法の開発に寄与できると思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
運動野への刺激が、どのタイミングで脊髄反射(伸張反射)に及ぼすかを調べるための計測法の確立に時間を要した。伸張反射や運動野刺激による運動誘発電位のばらつきが多く、不安定であったため、精度を上げるための工夫を重ねた。
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今後の研究の推進方策 |
運動誘発電位に対する、伸張反射の影響を計測する方法が確立できたため、複数の健常者への検査を行い、個人差の有無やデータの安定性を確認する。そのうえで。上肢麻痺患者への検査を行い、機能予後との関係を調べ、新たな治療法開発を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験の遅れのため、筋電図関係の物品購入を、後で行うようにしたため。
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