研究課題/領域番号 |
22K11463
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研究機関 | 関西福祉科学大学 |
研究代表者 |
松尾 貴央 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 講師 (90759622)
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研究分担者 |
福岡 達之 広島国際大学, 総合リハビリテーション学部, 准教授 (10781289)
松山 美和 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (30253462)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 超音波断層装置 / 嚥下造影検査 / 梨状窩 / 上部食道 |
研究実績の概要 |
嚥下障害が疑われる場合にレントゲンを用いた嚥下造影検査(videofluoroscopic examination of swallowing,VF)で詳細評価を行うことがゴールドスタンダードである。しかし,VFは被曝や造影剤誤嚥の危険性や,実施できる医療機関が限定的であり,誰もが簡便に撮影できるものでは無い。そこで,非侵襲性と簡便性に優れる超音波断層装置(ultrasonography,US)を嚥下機能評価に活用することを着想した。当該申請研究では超音波断層法を活用した嚥下運動評価プロトコルを開発し,これまで研究レベルで用いられてきた超音波断層法による嚥下機能評価を臨床実践レベルで活用することを目標とする。現在,USを用いて梨状窩通過側の食道観察が可能であるか,VFとの同時撮影にて検討した.本研究に参加した健常成人28例,合計112回の液体嚥下を分析対象とした.食道通過状況は,VFによる梨状窩の観察下では左梨状窩通過88回,両側差なし通過20回,右梨状窩通過4回であり,USによる上部食道の観察下では左通過91回,両側通過17回,右通過4回であった.Cohen kappa coefficientsを用いてVFによる梨状窩通過側とUSによる上部食道通過側の一致率を算出した結果,K=0.652であった.また,液体嚥下時のVF正面像による左右梨状窩通過の定性的判定とUSによる上部食道の左右通過の定性的判定は94.5%で一致した.本研究結果からUSは食道通過側の側性評価に活用できる可能性を示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該プロジェクトの初年度は新型コロナウイルスの流行により感染予防策として社会的距離の確保や医療機関への参加制限などが加わり、実験参加者の募集ならびに研究機材の確保が一時的に困難となったため、研究の進行が予定よりも「やや遅れている」と評価した。 2023年5月から新型コロナウイルスが5類へ移行したことで,VFとUSの同時測定による食道通過状況についてのデータを予定通り収集することができたため「おおむね順調に進展している」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
以下の3点を行う予定である。 1.研究継続ならびに論文投稿に向けて準備を進める。 2.今年度シンポジウムにて発表した内容について論文投稿を進める。 3.これまで蓄積したデータについて研究者間で議論を深め、研究期間後半に食道通過状況評価と舌骨喉頭運動比による嚥下運動評価を組み合わせた嚥下運動評価のプロトコル化を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
VFとUSの同時測定データ整理に業者への謝金を計上していたが,研究代表者自身で行った。そのため,業者への謝金は0となった。また,英語論文についての校正費は今年度末までに投稿準備が完了しなかったため,計上しなかった。
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