研究課題/領域番号 |
22K11476
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
川村 俊彦 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (70301182)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 鉄過剰症 / 肝臓 / マウスモデル / NKT細胞 / CD1d |
研究実績の概要 |
2023年度は、前年度に確立したマウス鉄過剰モデルの確立をもとに、鉄過剰状態マウスにおいて、肝臓におけるリンパ球にどのような変化があるか、特にNKT細胞に焦点を当てて解析を行った。
鉄剤は、ヒトの貧血治療に用いられる注射用鉄剤「フェジン」を用い、マウスは、6週齢のC57BL/6Nマウスを用いた。1回あたりの投与量を5mgとして、2週間に10回腹腔内投与(合計50mg)し、鉄剤投与終了後5~6週間の間隔をあけることにより、肝臓、脾臓、膵臓に肉眼的色調から鉄が沈着することを確認している。マウスには、衰弱等の症状は見られなかった。
鉄過剰状態のマウスから、胸腺、脾臓、肝臓のリンパ球を分離し、フローサイトメトリーによる解析を行ったところ、肝臓において、NKT細胞の減少(割合および絶対数)が見られた。肝臓においては、他のリンパ球には変化が見られなかった。また、胸腺、脾臓ではリンパ球の分画に変化は見られなかった。以上により、鉄過剰状態の肝臓において、NKT細胞が特異的に減少することが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度に確立した鉄過剰症マウスモデルの解析を、2023年度中におおむね解析することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、鉄が沈着した肝臓において、なぜNKT細胞が特異的に減少するのか、そのメカニズムの解明を進めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度に購入予定であった遺伝子改変マウス・遺伝子変異マウスの購入を、2024年度に行うことになったため。
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