研究課題/領域番号 |
22K11482
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
赤間 高雄 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (60212411)
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研究分担者 |
稲井 勇仁 東北文化学園大学, 現代社会学部, 助教 (80973990)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 唾液 / 脱水指標 |
研究実績の概要 |
近年では唾液を用いて脱水を客観的に評価できる可能性が報告されている。しかし、これまでの研究は実験室内の検討が主であり、競技スポーツ大会での応用までには至っていない。そこで競技スポーツ大会において唾液脱水指標が熱中症の予防に有益な指標となりうるかを検討するために、実際の競技スポーツ大会に参加するアスリートを対象に唾液内成分を用いて脱水レベルを評価する必要がある。また、熱中症の死亡事故が問題となっている子どもにおいて、唾液が脱水指標となりうるかを明らかにするために、本研究では唾液脱水指標と従来有用とされてきた脱水指標との関係性の検討を進めている。2022年度は新型コロナウイルス感染症の拡大により、予定されていたトライアスロン大会で唾液採取の実験を実施することが出来なかった。2022年度は2023年度に予定しているアスリートや子どものスポーツ活動中の唾液採取実験に向けて、食事摂取と唾液内成分の関係性に関する文献調査を行い、文献調査の結果、食事内容によって唾液内成分が大きく変化してしまうことが示唆された。そのため、次年度は食事内容も調査しながらスポーツ活動中の唾液が脱水指標となりうるかを明らかにする。現在は、スポーツ現場における唾液ならびに子どもの唾液を用いた脱水評価の有用性の検討に向けて、両実験の研究倫理申請や実験の対象となるトライアスロンチームならびに教育機関との打ち合わせを進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、夏季に予定していたトライアスロン大会におけるアスリートを対象とした唾液採取の実験を実施することが出来なかったため、研究がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度に実施予定であったトライアスロン大会における実験に関して、2023年度に開催される大会の選定はすでに終わっており、所属機関への研究倫理申請を完了した。また、2023年度に予定している小学生を対象とする実験に関しては対象予定の教育機関と実験の打ち合わせを進めている。実験を実施するにあたり、研究スタッフや対象者の新型コロナウイルス感染症の感染予防を徹底した上で実施する。2022年度に実施できなかった研究に加えて2023年度に予定していた研究を実施するため、唾液中バイオマーカーの測定経験が豊富な研究者を研究分担者に追加して研究を推進する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度は、研究対象としていた競技スポーツ大会が新型コロナウイルス感染症の影響で中止となったため、研究を実施することができず、研究費の次年度使用が生じた。2023年度は、アスリートの唾液と子どもの唾液を採取し、それらのバイオマーカーが脱水指標となりうるかを検討する。そのため、両実験の実施に向けて、尿中バイオマーカーなどの脱水評価指標の測定、唾液採取と解析に必要な消耗品やキットの購入、研究対象者への謝金などに研究費を使用する予定である。
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