研究課題/領域番号 |
22K11494
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
藤本 敏彦 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 准教授 (00229048)
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研究分担者 |
久保 均 福島県立医科大学, 保健科学部, 教授 (00325292)
田代 学 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (00333477)
伊藤 浩 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20360357)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | PET / 筋活動 / 下腿三頭筋 / 非運動経験者 |
研究実績の概要 |
2023年度は前年度の詳細なデータ解析と学会発表を行った。また今年度は東北大学サイクロトロン・RIセンターで実施可能であった「下腿三頭筋の個々の筋活動のマッピング」を実施した。2名の非運動経験者(中学~現在に至るまで体育の授業を除き継続的な運動を行っていない方で通学は徒歩または公共交通機関を利用している方)2名を対象として18F-FDGPETの測定を行った。18F-FDG投与前の15分間と投与後の約25分間を「安静条件」または「運動負荷(カーフレイズ運動)条件」をそれぞれ行ってもらったのち、PET撮像するプロトコルを実施した。 2022年度行ったアスリート(中・長距離、バスケットやサッカー、ハンドボール、オリエンテーリングなどの中・高強度の運動を高校(部活動)や大学(体育部)で週3回以上、3年以上継続されている男性)の場合、多くの被験者(6名中5名)において、18F-FDGの取り込みが「ヒラメ筋<腓腹筋内側頭」の傾向が観察された。これは有酸素運動時においては筋活動を反映している。ところが非運動経験者1名ではヒラメ筋、腓腹筋外側頭、腓腹筋内側頭やその他の筋(腓骨筋、後脛骨筋など)がほぼ同程度の高い18F-FDGの取り込みを示した。このことはカーフレイズ運動により多くの筋活動を要していることを示し、非運動者のカーフレイズ運動時の筋活動がアスリートとは異なる可能性を示す者である。またもう1名の非運動者においてはどの筋においても18F-FDGの顕著な集積が認められなかった。このような現象はアスリートでは見られなかった現象である。実験のプロトコルの再検討が必要な所見であるが、一方非運動者の運動時の糖代謝の観点からは興味深い結果となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度の実験被験者は2名であったが、前年度の詳細なデータ解析や学会発表などを考慮すると概ね計画通り研究は進んでいると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は非運動経験者のデータをさらに4人増やし合計6人とし、筋活動に関してアスリートを対象とした実験データと比較・分析し学会発表を行う。さらに脳活動の解析も進め、これまでと同様に「安静条件」または「運動負荷(カーフレイズ運動)条件」の6ペアのデータにpaired t-testを適用してボクセル単位の解析を進める予定である。 加えて、福島県立医科大学で実施予定のPET/MR装置を用いた測定について行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
18F-FDGが比較的安価であったこと、また福島県立医科大学におけるMRS-PETが施設の準備状態のため実施できず使用料や旅費が残額として生じた。研究自体は東北大学サイクロトロンRIセンター所有のPETスキャン装置で行えることができた。しかし研究目的を果たすためには福島県立医科大学におけるMRS/PETを使用することが必要で、2024年度は予定通り研究を遂行する。そのため2023年度に使用しなかった額に加え、2024年度に本来使用を予定していた額を使用する計画である。
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